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P-Co相談室

【服薬指導の相談事例】がん治療中で来局歴が短い患者さん

2022年2月号
P-Co相談室第二回の画像

対人業務の推進や薬機法改正を受け、患者とのコミュニケーションが重要視されています。薬剤師のコミュニケーション能力向上を図り、患者主体の医療推進を活動目的としているファーマシューティカルコミュニケーション(Pharmaceutical Communication;P-Co)学会で理事を務める、帝京平成大学薬学部薬学科教授 井手口直子氏が、患者とのコミュニケーションのコツを解説、さらに薬剤師の悩みに答えます。

がん腫や状況を聞きにくいのですがの画像

薬剤師さんのお悩み相談

Q

がん治療で支持療法のみの投薬で、特に来局歴の短い患者さんや新規の患者さんの場合、がん腫や状況を聞きにくいのですが…

A

「薬局薬剤師がしっかり関わり、病院と連携することでより安全にお薬を使えるようになる」という患者さんにとってのメリットを説明し、その後に患者さんの情報を伺いましょう。

がん患者さんが外来の点滴治療の後に、支持療法の薬剤を受け取りに来られるケース。薬局薬剤師の役割は、投薬時の支持療法薬の服薬指導と、その後の抗がん剤の副作用状況や支持療法が効いているかのモニタリングです。でも、治療情報が乏しくレジメンやがん腫も分からない状況では、指導やフォローがしにくいようなケースもありますよね。
こうした場合、まずは、薬局が介入することで副作用への対応が早く的確になるというメリットを理解して頂き、その流れで患者さんの情報を収集します。
具体的には「お薬の副作用が強くでてしまう場合にはすぐに対応できますので、お電話で状況をお聞きしてもよいですか」とお伺いをします。そして、「病院の治療スケジュールはどのようなものか、教えていただけると助かります」と伺う。話の流れのなかでがん腫やステージ、再発経緯等の情報収集もできると思います。
服薬指導にあたり、事前に詳細を知りたいと思う薬剤師の先生も多いかもしれませんが、患者さんもいきなり色々な質問をされると身構えてしまいます。まずは薬剤師の役割と関わることでのメリットを理解いただくことでスムーズにお話いただけるのではないでしょうか。

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