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薬剤師がおさえておきたい注目の記事
ハイリスク薬加算の薬歴の書き方は?服薬指導例についても解説
Early Bird

新型コロナウイルス一問一答

2020年12月号

Q1. 病原体診断は?

遺伝子増幅検査(PCR法、LAMP法)
SARS-CoV-2に特異的なRNA遺伝子配列をRC-PCR法などにより増幅し検出する。感度は高い一方、検査時間が比較的長い、専用の機器および熟練した人材が必要。
抗原検査
ウイルスの抗原を検知し診断に導く検査であり、PCR検査とともに確定診断として用いることができる。抗原定性検査と抗原定量検査がある。

Q2. 画像所見は?

胸部CT検査は感度が高い。無症状であっても異常所見を認めることがある。

Q3. 治療薬は?

抗ウイルス薬
レムデシビル(ベクルリー)、ファビピラビル(アビガン)
ステロイド
デキサメタゾン(デカドロンなど)、シクレソニド(オルベスコ)
タンパク分解酵素阻害薬
ナファモスタット(フサン)、カモスタット(フオイパン)など
駆虫薬
イベルメクチン(ストロメクトール)

Q4. レムデシビルは何が問題?

致死率や入院期間の改善効果が実証されず、副作用の可能性や医療現場への負担が問題視されてきた。WHOは、症状の軽重にかかわらず新型コロナウイルスによる入院患者には使用しないよう勧告。日本では2020年5月に特例承認されており、承認の見直しは、現状予定されていない。

Q5. 治療候補薬(治験実施中/予定の薬剤)は?

トシリズマブ(アクテムラ)、バリシチニブ(オルミエント)、アカラブルチニブ、ラブリズマブ(ユルトミリス)、エリトラン、イブジラスト(ケタス)、オチリマブ、イカチバント(フィラジル)、アプレミラスト(オテズラ)など。人口知能を使用し、新型コロナウイルス感染症に対する既存薬の治療効果を予測した検証結果を無償で提供する企業も。

Q6. ワクチンの提供は?

WHOと薬事規制当局国際連携組織(ICMRA)が共同ステートメントを公表。内容は、リアルタイムでデータを共有すること、承認後の使用状況を監視して安全性と有効性の問題を特定し軽減できるような協働を実施することなど。厚労省は、「マイナス70℃程度の超低温のまま届ける際には、ドライアイスを入れた保冷ボックスを用いる見込み」として保管可能な冷蔵庫を3,000台確保する方針。

Q7. ワクチンの開発状況や特徴は?

米ファイザー
有効性の最終解析を行った結果、95%の予防効果が示されたと発表。安全性についても重大な懸念は認められず、11/20にFDAに緊急使用許可を申請。保管温度はマイナス75℃±15℃と超低温管理のため、診療所での接種は難しい。2020年に最大5000万回分、2021年末までに最大13億回分を製造可能との予測。開発が成功した場合、日本政府は2021年6月末までに1億2000万回分の供給を受けることで合意。
米モデルナ
94%超の有効性がみられると発表。開発が成功した場合、日本政府はモデルナから、2021年に計5000万回分(2500万人分)の供給を受ける契約を締結。2~8℃の標準的な医療用冷蔵庫で1カ月間、マイナス20℃であれば6カ月間保管可能。
英アストラゼネカ
治験の中間結果では有効性は平均で70%。90%の有効性を示したものもあったが、サブグループ解析だった点についての指摘を踏まえ、有効性や投与方法の再確認のため、追加で治験実施の意向。
国内
大阪大学とアンジェスの共同開発で第Ⅱ/Ⅲ相試験を開始予定。そのほか、塩野義製薬、第一三共、ヤンセンファーマ、田辺三菱製薬など。 …

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