
アトピー性皮膚炎患者の悩みは多様
アトピー性皮膚炎は増悪・寛解を繰り返す、瘙痒のある湿疹を主病変とする疾患。厚生労働省が2014年に実施した患者調査によると、医療機関を受診した患者の数はあらゆる皮膚疾患のなかでアトピー性皮膚炎が2番目に多く、継続的に医療機関にかかっている患者は45万6,000人に上る。アトピー性皮膚炎患者は強い瘙痒感を訴えるが、その感覚は「かゆくて眠れない」「皮膚を引きちぎりたい」という壮絶なもので、さまざまな皮膚疾患のなかでも最も生活の質が悪いといわれる。患者はかゆみにより眠れない、仕事や学業に集中できないといった日常生活の問題から、結婚・就職など将来に対する不安までさまざまな困難を抱えている。
サノフィ株式会社が全国のアトピー性皮膚炎患者を対象に実施した意識調査からは、こうした患者の苦しみや悩みを医師が十分に受け止められていない現状が明らかになった。
調査は2016年5月~6月、15歳~69歳の男女約1万人のアトピー性皮膚炎患者を対象に実施した。医師とのコミュニケーションに満足を感じている人は約40%にとどまり、症状の改善効果の満足度(約50%)よりも低かった。患者の平均診察時間は4.2分だが、医師とのコミュニケーションに不満を感じている患者の