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「不慮の事故」の法則

2019年9月号
高齢者の「不慮の事故」の法則とは!?の画像

高齢者にとって最も危険な場所は「自宅」!?

わが国の死因の1位は悪性新生物(腫瘍)であり、以下、心疾患、脳血管疾患、老衰、肺炎と続き、6位に入っているの が「不慮の事故」です。この「不慮の事故」による年間死亡者数は、2016年の人口動態調査によれば3万8,306人1)で、そのうちの約83%(3万1,692人)という多数を65歳以上の高齢者が占めています2)。では、高齢者に多い「不慮の事故」の実態はどのようなものなのでしょうか。
「不慮の事故」と聞いて誰もが思い浮かべるのは、交通事故でしょう。しかし、高齢者の交通事故の死亡者数はそれほど多くなく年間3,000人ほど。交通事故よりも2倍以上多いのは、「誤嚥等の不慮の窒息」(8,493人)、「転倒・転落」(7,116人)、「不慮の溺死および溺水」(6,759人)の3つなのです(いずれも2016年のデータ)2)
「誤嚥等の不慮の窒息」の大半は、気道閉塞を生じた食品の誤嚥で、吐しゃ物による窒息も含みます。東京消防庁の救急搬送データによると、窒息の原因は、詳細不明のものを除けば、おかゆ類が最も多く、餅、ごはん、肉の順です3)。おかゆ類と聞いて、意外に思われるかもしれませんが、主食類は口にする頻度が高いので、それに応じて誤嚥の発生率が多いようです。また、このような喉を詰まらせる事故は、男性に多いの…

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