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薬剤師がおさえておきたい注目の記事
【調剤報酬改定2024よくある質問】最初に処方された1回に限り算定って?
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ヒヤリの前にハッとする3

2024年7月号
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本記事は、公益財団法人 日本医療機能評価機構が薬局ヒヤリ・ハット事例収集・分析事業にて発行している「共有すべき事例」を参考に、事例の概要と関係する薬剤のポイントを中心にサクッと読めるようファーマスタイル編集部が作成、紹介しています。
「共有すべき事例」原本はこちらから
https://www.yakkyoku-hiyari.jcqhc.or.jp/contents/sharing_case/index.html

Case 1
疑義照会・処方医への情報提供 [2024年 No.5 事例3]

スーグラ錠の手術前の服用休止

スーグラ(一般名:イプラグリフロジン L-プロリン)
ハッとmemoの画像
  • スーグラ錠は、手術前後の投与は禁忌とされている(添付文書参照)
  • 患者から手術を受ける予定を聴取した際は、服用薬を術前に休止する必要があるかを確認する。
背景事例

医療機関Aで手術を受ける予定の患者に、医療機関Bよりメトグルコ錠500mgとスーグラ錠25mgが処方された。薬剤師は、メトグルコ錠500mgには休薬指示が出ていたが、スーグラ錠25mgには休薬指示が出ていないことを患者から聴取。医療機関Bの処方医に確認を行ったところ、スーグラ錠25mgも術前に服用休止となった。

checkの画像
  • 本事例は、手術を受ける予定の患者にSGLT2阻害薬が処方された際、薬剤師が術前の休薬の有無を処方医に確認した事例。
  • 手術の前後に服薬を休止する可能性がある薬剤が処方されている患者から手術を受ける予定を聴取した際は、服薬休止の判断が処方医・医療機関や手術内容により異なることを理解したうえで、処方医へ服用を休止する必要がないか確認することが重要。
  • 日本糖尿病学会1)、日本腎臓学会2)、日本循環器学会・日本心不全学会3)は、それぞれSGLT2阻害薬の適正使用に関するRecommendationを公表しており、推奨される手術前後の休薬期間を具体的に示している。
  1. https://www.jds.or.jp/uploads/files/recommendation/SGLT2.pdf
  2. https://jsn.or.jp/medic/data/SGLT2_recommendation20221129.pdf
  3. https://www.j-circ.or.jp/cms/wp-content/uploads/2023/06/jcs_jhfs_Recommendation_SGLT2_Inhibitors__HF.pdf
参考 糖尿病治療におけるSGLT2阻害薬の適正使用に関するRecommendationより手術時に関する記載
手術が予定されている場合には、術前3日前から休薬し、食事が十分摂取できるようになってから再開する。
Case 2
疑義照会・処方医への情報提供 [2024年 No.4 事例1]

ビラノア錠の「空腹時」服用タイミング

ビラノア(一般名:ビラスチン)

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ヒヤリの前にハッとする3

(公財)日本医療機能評価機構が薬局ヒヤリ・ハット事例収集・分析事業にて発行している「共有すべき事例」を参考に、サクッと読めるようファーマスタイル編集部が作成、紹介しています。今回はスーグラ錠の手術前の服用休止と、ビラノア錠の「空腹時」服用タイミングについての事例紹介です。

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