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薬剤師がおさえておきたい注目の記事
ハイリスク薬加算の薬歴の書き方は?服薬指導例についても解説
エキスパートクイズ

疼痛管理|答えて学ぼうエキスパートクイズ

2018年7月号
クイズの画像

痛みの評価と適切な薬物治療で患者のQOL向上を目指すを読んで、正しく理解できたかチエックしてみましょう!

Q1 以下の文章の( )内に当てはまる用語を答えよ

(❶)は、皮膚や骨・関節・筋肉など結合組織に対する切る・刺すなどの機械的刺激が原因で発生する痛みであり、局在が(❷)であることが多い。一定の強さに加えて、時に拍動性の痛みやうずくような痛みが特徴的である。2種類の感覚神経で脊髄に伝えられ、そのうち伝導速度の速い(❸)は鋭い針で刺すような痛みを、伝導速度が遅い(❹)は鈍い痛みを伝える。骨・関節などの深部組織に病巣がある場合、病巣から離れた部位に痛みを認めることがあり、これを(❺)と呼ぶ。

Q1の答え 表示

(❶体性痛)は、皮膚や骨・関節・筋肉など結合組織に対する切る・刺すなどの機械的刺激が原因で発生する痛みであり、局在が(❷明瞭)であることが多い。一定の強さに加えて、時に拍動性の痛みやうずくような痛みが特徴的である。2種類の感覚神経で脊髄に伝えられ、そのうち伝導速度の速い(❸Aδ線維)は鋭い針で刺すような痛みを、伝導速度が遅い(❹C線維)は鈍い痛みを伝える。骨・関節などの深部組織に病巣がある場合、病巣から離れた部位に痛みを認めることがあり、これを(❺関連痛)と呼ぶ。

痛みの評価と適切な薬物治療で患者のQOL向上を目指すを読んで、正しく理解できたかチエックしてみましょう!

Q2 以下の文章の( )内に当てはまる用語を答えよ

モルヒネはグルクロン酸抱合により、約44〜55%が(❶)に、約9〜10%が(❷)に代謝され、8〜10%が未変化体として尿中から排泄される。(❶)および(❷)は、ほとんど腎臓から排泄される。オキシコドンは、チトクロムP450 の(❸)および(❹)により、ノルオキシコドンおよびオキシモルフォンに代謝される。ノルオキシコドンは、主代謝物であるが、非活性代謝物である。フェンタニルはほとんどが肝臓で代謝され、主にチトクロムP450の(❺)により、ノルフェンタニルに代謝される。ノルフェンタニルは非活性代謝物である。

Q2の答え 表示

モルヒネはグルクロン酸抱合により、約44〜55%が(❶モルヒネ-3-グルクロニド(M3G))に、約9〜10%が(❷モルヒネ-6-グルクロニド(M6G))に代謝され、8〜10%が未変化体として尿中から排泄される。(❶モルヒネ-3-グルクロニド(M3G))および(❷モルヒネ-6-グルクロニド(M6G))は、ほとんど腎臓から排泄される。オキシコドンは、チトクロムP450 の(❸CYP2D6)および(❹CYP3A4)により、ノルオキシコドンおよびオキシモルフォンに代謝される。ノルオキシコドンは、主代謝物であるが、非活性代謝物である。フェンタニルはほとんどが肝臓で代謝され、主にチトクロムP450の(❺CYP3A4)により、ノルフェンタニルに代謝される。ノルフェンタニルは非活性代謝物である。

患者に寄り添った痛みのアセスメントをQOL向上につなげるを読んで、正しく理解できたかチエックしてみましょう!

Q3 WHOのがん疼痛治療法について次の問いに答えよ

1.「がん疼痛治療の目標」について
痛みのマネジメントで重要な現実的かつ段階的な目標設定について、下記の表❶~❸に適切な語句を埋めなさい。

第一目標 痛みに妨げられない(❶)
第二目標 (❷)の痛みの消失
第三目標 (❸)の痛みの消失

2. 「鎮痛薬使用の5原則」をすべて記述しなさい。

  1.  
  2.  
  3.  
  4.  
  5.  
Q3の答え 表示
第一目標 痛みに妨げられない(❶夜間の睡眠
第二目標 (❷安静時)の痛みの消失
第三目標 (❸体動時)の痛みの消失

2. 「鎮痛薬使用の5原則」をすべて記述しなさい。

  1. 経口投与を基本とする(by mouth)
  2. 時刻を決めて規則正しく(by the clock)
  3. 除痛ラダーに沿って(by the ladder)
  4. 投与量は個々の患者に合わせて(for the individual)
  5. そのうえで細かい配慮を(with attention to detail)
出題者よりコメント

痛みは、がん患者にとって苦痛であり、QOL維持・向上のためには、早期からの疼痛管理が重要となります。痛みの適切なマネジメントのためには、痛みの性質、機序などを理解する必要があります。痛みの性質により痛みの種類、原因や薬剤の効果が予測できます。
処方提案時には、各薬剤のプロファイルを熟知していなければできません。患者の状態や併用薬などを考慮して最適な薬剤を提案していきます。
1986年に発表された「WHO方式がん疼痛治療法」は、「がんの痛み治療」として世界中で実践され、70〜90%のがん患者を痛みから解放できると言われています。しかし、薬剤師のなかには知っているけど十分に理解していない場合も多く見受けられます。実際に活用できるようにしましょう。

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