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【特定薬剤管理指導加算】「イ(RMP)」「ロ(選定療養)」算定Q&A
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向精神薬の用量調整のCase Study【抗精神病薬編】

2023年7月号
向精神薬の用量調整のCase Study 抗精神病薬編の画像

向精神薬は多剤処方のケースが多く、有効性と副作用のバランスを鑑みて個々の患者さんで薬剤の用量調整を検討する必要があります。株式会社じほうの書籍『ゆるりとはじめる精神科の1冊目』より、ケーススタディとして向精神薬の調整のポイントを見ていきましょう。

向精神薬の用量調整のCase Study

年に一度、当院では抗精神病薬の処方調査を実施し、処方適正化チーム(精神科医長、薬剤師、看護師、リスクマネージャー)がクロルプロマジン(CP)換算のモースト10の患者の減量に取り組んでいます。
CP換算1,500mgで副作用リスクが高いAさんについての減量を紹介します。

Aさんの基本情報

  • 66歳
  • 統合失調症の治療で入院中
  • CP換算:1,500mg
  • 転倒は起きていない

介入前の処方内容

介入による処方内容の変化の画像

処方適正化チームの会議の内容

主治医(看護師が代理でコメント)「6カ月前にハロペリドールを減量し、リスペリドンを増量して以降幻聴は聴こえてこなくなり外出ができるようになりました。ただし、ご家族が高齢のため自宅退院ができません。受け入れ可能性のある施設から薬の量を少なくしてほしいと言われています。」
薬剤師「服薬指導したときは、普段から手が震える(振戦)と言っていました。」
医長「振戦の場合、薬剤調整に伴う薬原性錐体外路症状(EPS)の可能性があります。薬剤師による副作用の評価は?」
薬剤師「本人の了解のもと、2週間ごとですが服薬指導時と昼食後薬を服用してから薬原性錐体外路症状評価尺度(DIEPSS)を実施しています。薬剤調整3日目以降は、DIEPSSにて振戦2(手指)、歩行1(小刻み歩行)が続いていますが、その他は目立ったEPSはありません。主治医にハロペリドールの減量を提案したところ『ビペリデンも処方しているし、外出ができなくなると困る』と言われました。」
医長「主治医にAさんの今後の方向性を聞いてみましょう。減量を試みるチャンスです。」

他の3名も医長の意見に同意し会議は終了。
1週間後のケア会議(主治医、薬剤師、担当看護師、ケースワーカー、作業療法士)

主治医「医長と話し、施設退院ができるように過剰な抗精神病薬を減量し、より良い形での退院を目指します。薬剤師さんには減量調整のサポートを、看護師さん、作業療法士さんには患者の状況把握の継続を、ワーカーさんには施設調整をお願いします。」

その後、主治医と薬剤師で病歴・薬歴および身体合併症の有無を見直したうえで、以下の減量を実施しました。

抗精神病薬減量の概要

減量内容 オランザピン20mg/日、リスペリドン4mg/日を継続し、ハロペリドール6mg/日の減量中止を試みる
減量方法 SCAP法を採用し、2週間ごとに0.75mg/日を減量
副作用 振戦は減量1カ月後に軽減し、2カ月後に消失
経過 4カ月目には一時的な精神症状の悪化があったため、リスペリドンlmg/日を一時的に追加した。その後、減量調整し,さらに4カ月後にオランザピン20mg/日、リスペリドン4mg/日となり退院となった。

介入による処方内容の変化

2週刊ごとに0.75mg/日の減量を開始の画像
下の画像
精神症状悪化のため、一時的に増量の画像
下の画像
抗コリン性離脱症状が生じやすいため、ゆっくり減量の画像

このケースでは抗精神病薬の減量方法としてSCAP法を採用しています。SCAP法を多職種チームで活用する際に確認しておくべき点や薬剤別の減量速度、薬剤師の役割などのさらなる詳細は書籍で学習いただけます。

ファーマスタイル × m3.com × じほう企画

25万人以上の薬剤師が登録する医療従事者専用サイト「m3.com」で、2023年4月に実施したアンケートで「向精神薬の用量調整」についてたくさんのリクエストをいただきましたので、業務に役立つ1冊をご紹介します。

ゆるりとはじめる精神科の1冊目

近年、病院でも薬局でも、精神科の患者と接する機会が増しています。向精神薬の処方意図がわからない、患者対応に関する悩み、副作用の評価が難しいなど、困った経験をしたことありませんか?本書は、知っているようで意外に知らない精神疾患とその症状、向精神薬の使いどころ、副作用・相互作用など、押さえておきたい知識をわかりやすく解説しています。

ゆるりとはじめる精神科の1冊目の画像

別所 千枝 / 中村 友喜 / じほう

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今回は、皆さまからのリクエストにお応えして、こちらの書籍から事例を抜粋してご紹介したm3.com WEB限定記事を限定公開させて頂きます。

※2023年7月13日、20日、27日の全3回を予定しております。

第2回(7月20日公開) 第3回(7月27日公開)

  • 2023年7月中旬~下旬にm3.comでアンケートを再び実施予定です。リクエストが多いものは記事化しますので、皆様のご意見やご希望をぜひ教えてください。ご協力のほどお願い申し上げます。

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特集

2023年最新版 心不全の診断と治療

心不全の患者数は増加の一途をたどり、毎年1万人ベースで患者数が増加していると推定されています。団塊の世代が後期高齢者に突入する2025年以降はさらに患者数が増加すると予測されることから「心不全パンデミック」の到来と危惧されており、その対策が喫緊の医療課題となっています。

2023年最新版 心不全の診断と治療の画像
Special Report

心不全患者の「つなぐ」薬歴管理 確認点と4つのステップ

患者さんの安全を守り、かつ薬剤師がそのために振り返るためのツールである薬歴。オンラインセミナー「心不全患者の薬歴マネジメント」が6月14日に開催され、つなぐ薬局 柏の薬剤師、鈴木邦彦氏が心不全の症例を題材に薬歴管理のポイントを解説しました。

心不全患者の「つなぐ」薬歴管理 確認点と4つのステップの画像
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脂肪肝による心不全リスクと改善法

7月28日は「日本肝炎デー」。厚生労働省は、7月28日を含む1週間を「肝臓週間」とし、肝炎の病態や予防、治療などの正しい理解が進むよう普及・啓発を行い、肝炎ウイルス検査の受検を呼びかけています。沈黙の臓器とも呼ばれ、自覚症状が乏しい肝臓は、定期的なセルフチェックが大切です。

「脂肪肝による心不全リスクと改善法」 ファーマスタイルカフェVol.14の画像
Special Report

向精神薬の多剤投与と等価換算

向精神薬は様々な場面で使用されています。薬剤師アンケートでは、向精神薬について知りたいこととして「用量調整の考え方」が多く選ばれました。 向精神薬の課題とされている多剤投与と、その解決の糸口となり得る薬剤の等価換算について紹介します。

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向精神薬の用量調整のCase Study【抗精神病薬編】

向精神薬は多剤処方のケースが多く、有効性と副作用のバランスを鑑みて個々の患者さんで薬剤の用量調整を検討する必要があります。『ゆるりとはじめる精神科の1冊目』より、ケーススタディとして向精神薬の調整のポイントを見ていきましょう。

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向精神薬の用量調整のCase Study【睡眠薬編】

精神科主治医より「薬剤について相談がある」との連絡を受け、院内薬剤師が患者Bさんの外来診察室に同席することになりました。睡眠薬と抗うつ薬の種類と用量調整について紹介します。

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書籍『ゆるりとはじめる精神科の1冊目』から学べること

向精神薬の用量調整のケーススタディを配信している本企画で参考にしているのが、2021年5月に株式会社じほうから発行された『ゆるりとはじめる精神科の1冊目』です。今回は本書籍で学べることをご紹介します。

書籍『ゆるりとはじめる精神科の1冊目』から学べることの画像

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