薬剤師トップ  〉 ファーマスタイル  〉 業界  〉 本田先生のHealthy Days  〉 葉酸とプレコンセプションケア
check
【特定薬剤管理指導加算】「最初に処方された1回に限り算定」って?
本田先生のHealthy Days

葉酸とプレコンセプションケア

2019年2月号
葉酸とプレコンセプションケアの画像

若い世代の葉酸の知識はどのくらい?

プレコンセプションケア(PCC)は将来の妊娠を考えながら、女性やカップルがより健康になるために必要な知識と行動です。将来の妊娠のために、適切なエネルギーと栄養素をバランスよく摂ることは大切です。その中でもビタミンB群の一種で、ほうれん草などの緑黄色野菜に多く含まれる葉酸は、妊娠初期に重要な栄養素で、食事摂取基準(厚生労働省)では1日240μgを推奨量としています。
妊娠初期に葉酸が不足すると胎児に「二分脊椎症」をはじめとする神経管閉鎖障がいの発症リスクが高まるため、諸外国では積極的な摂取の勧告政策が進められています。しかし、日本の若い女性の葉酸摂取量は低く、さらに国立成育医療研究センターが都内の大学で調査したところ、82%の学生が「葉酸についてあまり知識がない・全く知識がない」と回答し、若い世代で葉酸の重要性に対する認識が非常に低い実態が明らかになりました。

葉酸摂取の重要性を若者に広めていこう!

2018年11月13日、国立成育医療研究センターと慶應義塾大学SFC研究所健康情報コンソーシアムとの共催で『第4回PCC・オープンセミナー「葉酸とPCC」』が開催されました。セミナーでは、妊娠前からの葉酸摂取の必要性、必要時期と量、薬と葉酸の関係性などについて意見交換したほか、学生からは「葉酸レシピ」の提案もありました。
特別講演で女子栄養大学副学長の香川靖雄先生は、20歳~39歳の日本女性の葉酸摂取量はWHOの推奨量400μgに比べ227μgと低く、特に低所得者層で危機的な低栄養状況にあると警鐘をならしました。さらに最近の研究で、葉酸が脳梗塞や認知症などの予防に関連していると明らかになったことから、葉酸は全ての国民の健康維持・増進に役立つと強調されました。セミナーの最後には、国立成育医療研究センター母性内科診療部長の荒田尚子先生より葉酸に関する「宣言」が発表されました。日本の若い女性の葉酸摂取率を上げるためには多職種連携が必要です。薬剤師の皆様からも「PCC宣言(葉酸とPCC)」をご発信いただければ幸いです。

プレコンセプションケア宣言カードの画像

プレコンセプションケア宣言カード

この記事の関連キーワード

この記事の冊子

特集

小児の薬物療法に光を当てる

小児の薬物療法の整理と、薬剤師の果たすべき役割とは

小児の薬物療法に光を当てるの画像
専門医+エキスパートに聞くよりよい服薬指導のための基礎知識

てんかんpart.1 2018年版ガイドラインと作用機序による薬剤選択のポイント

全人口の約1%が罹患しているともされ、患者数の多い慢性の脳疾患であるてんかん。薬物療法を中心とした、治療法と服薬指導のポイントを解説いたします。

てんかんPart.1 2018年版ガイドラインと作用機序による薬剤選択のポイントの画像
専門医+エキスパートに聞くよりよい服薬指導のための基礎知識

てんかんPart.2 患者の長期のQOLを支えるため話しやすい環境づくり

全人口の約1%が罹患しているともされ、患者数の多い慢性の脳疾患であるてんかん。薬物療法を中心とした、治療法と服薬指導のポイントを解説いたします。

てんかんPart.2 患者の長期のQOLを支えるため話しやすい環境づくりの画像
エキスパートクイズ

てんかん|答えて学ぼうエキスパートクイズ

「てんかん」について正しく理解できていますか?クイズで確認してみましょう。

てんかん|答えて学ぼうエキスパートクイズの画像
本田先生のHealthy Days

葉酸とプレコンセプションケア

女性の健康などをテーマに語るHealthy Days 今回はプレコンセプションケアについてです。葉酸とプレコンセプションケア重要性とは?

葉酸とプレコンセプションケアの画像
ここに注目!知っているようで知らない疾患のガイセツ

感染性胃腸炎(ノロ・ロタウィルス)

秋口から春にかけて感染性胃腸炎の原因となることが多いノロウイルスとロタウイルス。その特徴や感染対策について解説いたします。

感染性胃腸炎(ノロ・ロタウィルス)の画像
Medical Diagram

魚食のベネフィット&リスクの法則

世界的に和食のよさが注目されている中、日本では魚食離れが起こっています。魚食のベネフィットとリスクとは?

魚食のベネフィット&リスクの法則の画像
特集

発達段階に応じた服薬指導のポイント

医療を受ける子ども達に対し、発達段階に合わせて薬剤師が上手にかかわるポイントを解説します。

発達段階に応じた服薬指導のポイントの画像

この記事の関連記事

人気記事ランキング