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Special Report

薬剤師と製薬会社の距離を縮めるチャットボットを使いこなす!第3回

2022年10月号
薬剤師と製薬会社の距離を縮めるチャットボットを使いこなす!第3回の画像

医療従事者への医薬品情報の新たな情報提供方法として、製薬企業で導入が進んでいるチャットボットについて、前号に引き続きチャットボットを導入する企業担当者に伺ったチャットボットの利用方法と特徴を解説します。

サービス名
DIチャット
塩野義製薬株式会社
サービス内容
  • 同社医療用医薬品、検査キットのよくある質問への回答
  • 同社医療用麻薬の問い合わせへの回答(要会員登録)

チャットボット担当者からのサービス紹介

DIチャットは、AIを用いたチャット形式の自動回答システムにより、弊社製品に関する一般的な情報を24時間365日、夜間や休日も提供するサービスで、2019年12月に弊社インフルエンザ治療薬「ゾフルーザ」のお問い合わせ対応のため利用を開始しました。インフルエンザは夜間や休日に医療機関を受診される患者様も多く、どんな時でも医療関係者様からのお問い合わせに回答できるように、当システムを採用しました。現在は約60製品のお問い合わせに対応しております。
薬剤師の先生方は日々お忙しい中でお問い合わせいただきますが、DIチャットでは、問い合わせしたい製品を選択し、質問文を入力いただくとAIが最適な回答を表示します。また、質問への回答を表示するだけではなく、関連する情報も表示するため、より適切な情報をご確認いただけます。
DIチャットは、医療用麻薬製品以外は、医療関係者向けサイトに会員登録せずに利用できるため、すぐに問い合わせいただけます(スマートフォンの画面にも対応)。DIチャット上のフィードバック画面からサービス内容に関するご要望も入力することができ、頂いたご要望から日々サービス改善を進めております。まずはお気軽にご利用いただき、ご要望をいただけますと幸いです。

編集ひと口メモ
DIチャットでは、同社の医療用医薬品だけでなく、同社の検査キットのお問い合わせにも対応。また同社の医療関係者向けサイト会員は、同社の医療用麻薬に関してもDIチャット上からお問い合わせできる。
塩野義製薬株式会社チャットボット検索例の画像

図:DI チャット検索例(スマートフォンでの例)
製品名を選択し、質問文を入力するとAIが最適な回答を表示する。また質問への回答結果とともに、当該製品に関連するお問い合わせ候補が表示され、入力した質問以外にも当該製品に関する情報を得ることができる。

編集部の視点

ファーマスタイル2022年6月号ファーマスタイル読者アンケートで製薬企業のチャットボット利用状況を確認したところ、これまでにチャットボットを利用した経験があると回答した方は35%(総回答数:79件)となり、薬剤師の情報確認方法としてチャットボットが普及してきている。
製薬企業のチャットボットに関する感想については、チャットボットは素早い回答が得られる点を評価する意見がある一方で、さらなる回答精度の向上を求める意見や、粉砕、一包化に関する品質情報をより詳細に回答して欲しいといった意見も多く挙がった。
製薬企業各社のチャットボットは24時間365日いつでも問い合わせができるため、夜間や休日における医薬品の情報収集方法として有効な手段といえる。ただし現状は各社で提供する情報の範囲や検索機能が異なるため、各社のチャットボットの特性を把握した上で利用する必要がある。今後チャットボットが医薬品情報の確認方法として一般的になるためには、各社の情報提供範囲の充実化と検索機能の標準化が求められる。

サービス名
いつでもDI 24
第一三共株式会社
サービス内容
  • 同社の約100製品のよくある質問への根拠データ(社内資料含む)を用いた深い回答
  • 自然な文章による質問を3年以上学習し続けているAIが判読し、適切な回答を提示

チャットボット担当者からのサービス紹介

いつでもDI 24は、弊社の約100製品に関するご質問にチャット形式でお応えするAIシステムです。パソコン、スマートフォン、タブレットに対応し、24時間365日いつでもどこからでもご利用いただけるサービスです。
いつでもDI 24では、お問い合わせされたい弊社製品を選択し、質問文を入力いただくと質問内容をAIが判読し、最適なQ&Aを提示します。いつでもDI 24で利用しているAIは、3年以上に渡り弊社コールセンターとMRへのお問い合わせ結果を学習しているため、質問への高い回答精度を実現しています。
また、いつでもDI 24は、添付文書等に記載している情報だけでなく、医師・薬剤師の先生方から弊社コールセンター、MRにお問い合わせいただく弊社製品に関する根拠データや社内資料も提供しております。こうした情報は医療用医薬品の販売情報提供活動に関するガイドライン等を遵守し提供する必要があるため、現在は弊社の医療関係者様向けサイト「第一三共 Medical Community」に登録されている医師・薬剤師の先生方のみに利用を限定しております。
コロナ禍においてご自身で情報を収集される機会が増えたとの薬剤師様のお声も多数お聞きしております。今後も弊社は、正しい製品情報を迅速に入手・活用できる環境を整えることで、当社製品の適正使用を推進し、医療に貢献してまいります。

編集ひと口メモ
同社では「いつでもDI 24」で利用しているAIを2018年4月に同社コールセンターで導入を開始し、2019年7月に同社MRの情報提供活動にも導入。3年以上同社の情報提供事例をAI学習し、回答精度を高めた上で2021年10月に同社医療関係者向けサイトで一般公開を開始した。
第一三共株式会社チャットボットの画像

図:「いつでもDI 24」利用方法(同社の医療関係者向けサイトへの会員登録が必要になります。)

サービス名
たなみんmed
田辺三菱製薬株式会社
サービス内容
  • 同社製品の適正使用情報、使用期限、安定性、くすりのしおりの検索
  • 同社製品の患者向け資材の検索と請求

チャットボット担当者からのサービス紹介

たなみんmedは、弊社製品の各種情報を簡単に検索できるチャットボットサービスです。近年、地域包括ケアシステムが進み、かかりつけ薬局・薬剤師様においては24時間対応が必要となっており、24時間365日いつでも弊社製品情報に関してお問い合わせいただけるよう2020年2月にサービスを開始いたしました。
たなみんmedの特徴は、1つ目は全製品のお問い合わせに対応していること。2つ目は情報を早く入手いただけるよう弊社医療関係者サイトに会員登録せずに利用できること。3つ目は弊社コールセンターに多くお問い合わせいただく使用期限、安定性、くすりのしおりの確認、患者さん向け資材の請求まで、幅広く対応している点です。
たなみんmed導入後は、医療関係者様から目的の情報に辿り着くスピードが早くなったとのお声もいただいております。日々改良を重ね、最近ではお問い合わせの多い出荷関連のお知らせ文書も回答出来るようにいたしました。弊社コールセンターとたなみんmedを併用いただくことで、薬剤師の先生方のお役に立てるのではないかと考えておりますので、ご活用いただければ幸いです。

編集ひと口メモ
情報検索の案内をする「たなみん」は同社のオリジナルキャラクターで、フワフワ真っ白な毛に覆われた、大きな青い手を持つ妖精。その手でどんな相手でもぎゅっと受け止め、包み込んでくれる。
たなみんmedの画像

図:たなみんmed ご利用方法
表示メニュー①~⑤を選択 もしくは、質問を下部の入力欄に入力して「送信」をクリックする。入力はキーワードでも文章でもOK。製品名と聞きたい項目が決まると、回答が返される。

たなみんの画像

田辺三菱製薬
キャラクター「たなみん」

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