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Special Report

企業における障害者雇用の実際

2023年1月号
企業における障害者雇用の実際 薬局グループでの障害者雇用の画像

民間企業の法定雇用率は2.3%、従業員を43.5人以上雇用している事業主は障害者を1人以上雇用しなければならない、という障害者雇用率制度があります。今回、ファーマスタイルでは、薬局グループの特例子会社として重度障害者を雇用しているクオールアシスト株式会社と、障害者の就労支援をしている株式会社ワイズキャリアに取材し、障害者雇用の実際のところを聞きました。

クオールアシスト株式会社の基本情報

クオールアシスト株式会社は、クオールホールディングス株式会社の特例子会社(障害がある方の雇用の促進と安定を図るために設立された会社)です。設立当初は従業員数がおよそ15名でしたが、現在では51名にまで増加しました。多くが重度の障害を持ち在宅で勤務しています。雇用形態は契約社員です。
事業内容は、グループ企業の人事・経理・総務といった分野の事務作業のサポートや、各企業で使用するアイテムの制作(ポスター、チラシ、名刺、印刷、ホームページ)です。これらの業務を、入力業務、イラストデザイン、WEB制作という3種類のグループに分かれて実施しています。イラストデザイングループでは、ポスターなど薬局の掲示物のデザイン、会社案内や年賀状などの制作、WEB制作グループでは、ホームページ制作とメンテナンスを実施し自社のHPも内製しています。

クオールアシスト株式会社の自社WEBサイトの画像
重度障害者が手がけるクオールアシスト株式会社の自社WEBサイト。

在宅勤務の難しさと意義 重度の障害者雇用

医療に携わる企業の社会的な役割として、障害者雇用発展のために重度の障害者が積極的に働けるような環境を整備したい、という当時の代表の強い思いから2009年に保険薬局業界では全国で初めてとなる特例子会社を設立しました。従業員を通勤が困難な障害をお持ちの方に限定しているため、出社勤務ではなく在宅勤務を前提としましたが、コロナ禍になるずっと前の2009年は現在と異なり、在宅勤務という形式はとても珍しいものでした。
私たちは従業員一人ひとりと面談しながら在宅勤務を実施できる形を模索してきました。障害者ということもあり、就業中のコミュニケーションは、映像ではなく音声のみのコミュニケーションまたは文字ベースの形です。顔の表情などが見えないため、相手が考えていることが分かりづらく当初は戸惑いもありました。ただ、徐々に声のトーンで感じ取れるようにもなってきました。

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