現在、薬剤師においては対物業務から対人業務への移行が求められています。その中で、いま注目されているのが、調剤薬局事務員の役割です。薬剤師の補佐にとどまらず、調剤薬局の責任の一端を担う存在となることが期待されています。いち早く調剤薬局事務員の役割に着目し、その活用に踏み切ったHYUGA PRIME CARE株式会社の巣山貴裕氏と、調剤薬局事務員として後進の指導に当たる清水万里氏に話を伺いました。
OTCだけでなく処方薬のことも知りたいと転職
もともとドラッグストアの登録販売者として働いていました。そこで調剤薬局で処方された薬との飲み合わせなどについて相談を受けることが多く、OTCだけでなく、処方薬についてももう少し知っておきたいと思うようになりました。どうせ転職するなら在宅など新しいことに取り組んでいる会社がいいのではと、資格なし、未経験でも受け入れてくれた当社でPCとして働くことになりました。
入社当初は在宅業務で施設などへの配薬を、その後は薬局で処方箋の入力などを担当しました。現在はPCのヘッドとして未経験者の教育や研修、事務のスキルに関するルール選定やスキルチェック、各店舗からの要望の吸い上げや、それに対する改善提案、個人で解決が難しいのであれば上司に取り次ぐといった業務を担当しています。
事務と薬剤師はお互いに協力して仕事をしたい
薬剤師とPCの役割分担として、この工程はだれが担当するといった制度設計が社内で作成されており、PCに移管すべきところは移管します。そのため店舗内の業務がどうしても事務に偏ってしまいます。それを理解している薬剤師は協力してくれますが、事務が薬剤師の手足のような感覚で動かされている店舗もまだないわけではありません。私としては、事務と薬剤師はお互いに協力して並んで仕事をしたいという気持ちがあり、今はその仕組みを整えていきたいと考えています。
また、在宅がメインなので、薬剤師の訪問に同行したり、薬剤師が訪問した後にPCが単独で薬をお届けに行く事も多く、施設の入居者やスタッフとのコミュニケーションも大切にしています。PCに薬のことを聞かれることも多いのですが、その場合は聞き取ってメモし、「あとで薬剤師が電話でお答えします」と伝え、薬剤師とも連携を取るようにしています。
業務が増えることは、事務にとっては大きなチャンス
当社の場合、事務が担当する業務は幅広く、どうしても他の薬局の事務職とはギャップがあります。未経験の人でも、