2022(令和4)年度調剤報酬改定に関して薬剤師がどのような関心持っているのかを医療従事者専用サイト「m3.com」の薬剤師会員にアンケート調査を実施しました。
対象者 | 「m3.com」薬剤師会員 |
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調査方法 | インターネット調査 |
調査期間 | 2022年3月11日〜2022年3月17日 |
回答者 | 242人 |
2022(令和4)年度 調剤報酬改定で最も関心のあるテーマ
リフィル処方箋の解禁と対物業務と対人業務の評価を分ける形で新設された報酬の2つが今回の改定で圧倒的に関心が高いテーマという結果でした。
各テーマに対する薬剤師のコメント
1位:リフィル処方箋解禁(78票)
- 長期処方の今後について気になる
- 今までにないシステムなので、気になる。
- 病院側の損益がどのようになるかが気になる
- よくわからない
- 新しいことなので
- 処方箋の流れがどうなるか分からないため
- 新たに導入される制度のため
- 薬剤師の仕事の幅が大きく拡がる一歩と見えるため
- 受診回数と利用する薬局が変わるかもしれないから
- リフィル処方箋をどのように行っていくか見当がつかない
- 今まで日本にはなかったことが起こりそう
- リフィルについて知っている医師がどれだけいるのか?患者にどういった説明で納得した状態で薬局にやってくるのか、非常に興味がある。やり方次第で、今後、リフィルが増えるか立ち消えになるか、見物だ。
- リフィル処方箋
不透明のまま
医療関係者も患者さんもキチンとルールが決まっていない中でスタートするのは不安。
次にもらうまでに紛失した時に薬局で相談されても困る - リフィル処方箋は患者さんにメリットがあるのか知りたい
- 以前より気になっていた項目
薬剤師の能力が試される - 特にない
- 特にない
- 処方箋様式の改訂の対応が必要なことや医師への説明が必要になるため、一方で実運用されるかは疑問。
- タスクシェアリングの観点と患者さんのかかりつけ薬局の定着化とシステム改修
- 新規事項のため
- 薬剤師の職能を発揮する良い機会になる。覚悟を持って臨んでいきたい。
- 処方行動の変容が起こるのだろうかと感じる
- なし
- 欧米ではあたりまえにされている制度がやっと日本でも整ってきたと思われるから
- 本当に処方されて来たら心配
- リフィル処方箋に興味があるから。
- いろいろ活用できそう
- 国が、リフィル処方箋を普及させるための恩恵が、気になるから。
- 患者の利便性が向上する
- おおよその事は知っているが、詳細な決定事項について確認したい。
- よくわからないから。
- 処方箋料、再診料等の減収が心配
- 医師の外来業務の軽減化につながる可能性
- 初めてなので
- 現状導入むずかしいと思われる
- あまりぴんと来なかったから
- どのくらいの患者が希望するか
- 地域の面薬局です。リフィル処方箋で門前薬局との連携(1回目以降)に期待と不安を覚える。
- 現在のところ当院はリフィル処方箋の発行は行わない予定なのですが、他院ではどのくらいの割合で処方されるのか興味があります。規模の大きな病院さんがやはり多いのでしょうか?気になります。
- 初めての試みなので。
- 処方箋の様式変更に伴い、薬局スタッフ間での共有が必要となるため。
また、新しく導入されるシステムであるため。 - 減収減益の可能性
- 実像が分かりにくい。患者にとって果たして有益なものになるのかはっきりしていない。にもかかわらず、メディアが騒ぎ立てると一気に希望する患者が増える可能性があり、準備しておく必要があるから。
- 今までなかった項目のため、運用方法などが気になるので
2位:薬剤調製料・調剤管理料・服薬管理指導料の新設(72票)
- 調剤料が細分化しているので算定要件がどうなるっているのか詳しくわからない
- 薬局経営において非常に重要な影響を与える項目だから。
- 一番身近に感じる内容だから
- 対人業務をさせたいのに、加算の細分化により事務処理増やして本末転倒。
算定要件厳しく(前例取るのは無理なくらい)して、高めの点数設定で解決なのに。 - これまでと異なるシステムとなり、慣れるまで苦労しそうなため。
- 現在の担当と直結する内容のため
- しっかり点数を加算できるようにしていきたいため
- 1番変化が大きいから
- 理解しづらい印象
より分かりやすくから、より分かりにくくに舵を切りなおした? - 1包化なくなって、外来服薬支援に代わるから
- 仕方がないので、従うしかありません、国の考えはわからないけど、後発薬をしっかりと推奨していたが、このありさまでしょう、下のことは真剣に考えているかどうかが本当にわからないけど、政令には従います。
- 特定の加算や薬局の構造にかかわらず全ての薬局の、すべての処方に関与してくる事項なので。
- まだ実務に入っていないので、よくわかっていないのかもしれないが、結局のところ言い回しを変えただけで、今までとあまり変わらない気がする。
- 毎日の仕事の中で最も身近なこと
- 実施可能性がある
- 調剤報酬の最も基本となる部分で、名称も変更になるため
- 影響が大きそうどから
- 今後改定のたびに更に大きな変更・変革がありそうなため
- よく分からない
- 名前や内訳が変わるので気になっている
- 実際の収益に関わるから
- 今までの算定基準と大きく異なるため
- 診療報酬を減らす目的ありきで、新設された項目でしかない。
- 利益になるもの
- 現在の調剤料が高すぎると感じていたから。
- 調剤前の薬剤師の関わり方を変えるための手段として点数に組み込んできたので驚いた。
- 調剤の基本的な報酬が、いくらになるのか。上がるのか下がるのか。どうすれば下がらないのか。
- 個別指導が気になる。
- 施設の処方箋が多く、管理指導の部分は計算できない状況にあるので。
- よりよい改訂になるのではないかと思って。
- 今までの仕組みが通じない形になって、疑問点が解消できない。
- 業務量が増えると考えるため
- 在宅分でない特養等の入居者向けの投薬で、従来加算出来た一包化などの報酬が取れなくなる
- どのように算定するかイメージできない
- 新設だから。
- 業務に一番関わりあるから
- 内容が複雑になって尚且つ点数が低くなることが出てくるように思われるから。
- 収入に直結するから
- 対物から対人にシフトしている
3位:後発医薬品調剤体制加算の見直し(30票)
- ぎりぎりの採用比率なので
- 現在の後発品安定供給が出来ていないのに
- 厳しい改定であるため
- 後発品体制加算は現状では、いらない。後発品自体を見直すべき
- 会社から厳しくいわれているから
- 廃止しても良いかもしれない
- ジェネリックが手に入りにくいのに何故こういうことをしたのかと思ったから
- 経営にかかわる改正のため
- いつも後発品といいながらこの欠品だらけです。コロナウィルス後では、国はしっかりと供給の事も、忘れずに取り組んで欲しいものです。
- 算定が難しい
- 先発品調剤が多い
- 安定供給体制の脆弱さとどのように関連づけて制定するのか?
- 後発品不足で加算条件の切り上げは苦しい。
- 後発の流通自体が不安定にも関わらず、さらに後発を推進しているため
- 後発医薬品製造業者の不祥事で後発医薬品のの不足がどの様に改定に関与しているのか気になるから
- 後発薬を推奨しているから
- 採用数がなかなか思うように進まなかったため
- 加算をとるための割合が変わること
- ジェネリック品の不足が深刻な状況であるのに、この改訂はあり得ない。
4位:地域支援体制加算の見直し(19票)
- 影響が大きいので
- 在宅の要件が増えたから
- 次年度の基準をクリアするために何をしていくかを考えないと行けないため
- わかりづらい。
- かなりの改悪。
- 地域活動として何が該当するか知りたい
- 在宅医療に興味があるから
- 細分化されたため
- 努力で勝ち取れたか試せるので
- 数値ノルマがある点においてプレッシャーを感じる
- 薬局がしていかなければならないことの評価に関係するため
- 地域体制加算2をもっと深く知りたい(基準がきびしくなったと聞いた)
- 業務に特に関わるため
5位:チェーン薬局(300店以上)への調剤基本料の減算(11票)
- チェーン薬局を減らして欲しいから
- 情勢を左右する事件
- チェーン薬局だけの減算の理由が分からないから
- 面分業を推進していたにも関わらず、減収影響が大きくなる改定だったため
- なぜ、店舗の数で点数を変えるのかがわからない。
6位:バイオ後続品導入の加算範囲拡大(7票)
- BSを導入するかどうか検討するから
- バイオ後続品の新規薬剤が増加することが予想されるから。
- バイオをすすめたい
- 今後の医療費抑制のため、患者さまの負担がどうなっていくのか気になった
7位:同一敷地内薬局への調剤基本料の減算(5票)
- そもそも認められないはずの薬局について、点数が存在すること自体おかしい。病院薬剤部は何をやっているのか?
- 自身が敷地内薬局勤務なので
- ようやく、減算になりました
- チェーン店に厳しすぎる事で薬剤業務全体からみる収入が落ちの給与の低下が恐い
7位:オンライン服薬指導の加算拡大(5票)
- コロナ禍オンライン指導が増えそうなので
- 高齢化社会の中で自宅にいながら診療も服薬指導も受ける事ができるようになるが、実際に高齢者は1人で携帯やパソコン等の機器を扱いオンライン服薬指導を受けることが出来るのかが疑問。
7位:医療的ケア児への服薬指導の加算化(5票)
- 配達をしている患者様がいるので、点数が付くとありがたい
- 小児だから
- 現在小児在宅患者との関わりがある為
10位:オンライン資格確認の加算化(4票)
- 医事課で検討しているので。
- オンライン資格確認が、現在現実的でないから
その他
- 骨粗鬆症リエゾンマネジャーを持っているので、2次性骨折予防継続管理料はトピックである。
- 手術室への薬剤師がいることでの新規加算
- 外来化学療法、外来吸入指導、外来骨粗鬆症デバイス指導、外来内視鏡検査薬指導
- 今までの区分が算定できるかが今回重大
- やっと点数がついた
- チェーン薬局でもグループ店舗でもなく、単独店舗で20年以上も前からOTCや生活雑貨も販売し、地域医療に貢献される医療施設の処方箋を応需し続け、多くの品目を備蓄し、学校薬剤師や地域包括ケア担当者会議、災害支援活動にも積極的に参加し続けているのに、画一的な数値の規定で「調剤基本料2」にされ続ける理由が理解できないから。
2022年4月改定で新たに加算化される「オンライン資格確認」のシステム導入状況を教えてください。
4月から加算化されるオンライン資格確認は回答者の勤務先の約1/5は既に導入済みで、未導入の勤務先においては導入検討と導入予定なしが概ね半々という結果でした。
オンライン資格確認システムを導入する上で重視する点(すでにご導入済みの場合は重視した点)、知りたい点ついての薬剤師のコメント
- マイナンバーに情報が入っているのかどうか?
- わからない
- 紛失時の対応、停電時の対応
- レセコンとの同期。無理な薬局もあるので、点数つけるなら、レセコン買い替え費用を満額補助してほしい。
- 薬歴がみたい
- システムの組み方がよくわからない
- 普及に向けて、今後の行政の取り組み。
- 処理速度
- ドライブスルー併設の薬局であるが、資格確認の為には薬局内に入らないといけない。
患者の利便性を考えると使用が難しいが、資格認証をどのように活用するかを知りたい。 - 導入してどれくらいの数がオンライン資格確認に移行できるのだろうか
- プライバシー
- 会社の意向
- 簡易かどうか。迅速かどうか。
- 初期費用が掛かる
- 資格確認に時間がかかるのであれば、忙しい薬局では導入は難しいのでは?
- 導入手順
- 利用頻度
それに伴うエラーの頻度 - いつも気にしていますが、中々、目の前業務にて、しっかりとやっていけませんね、しかし昨年は資格を取れましたよ。
- オンライン診療に患者が対応できるか? 高齢者は誰かサポートが無ければ難しいだろう。
- 個人情報各種の取り扱いと保管方法、管理方法など
- 患者の同意
- 院内の動線変更と運用改善
- 時の流れです。
- 回線トラブル時の対応。
- 相場の価格
- 全国どこでも同様に行えるのか
- 料金
- 導入するのはもう少し先のことになると思いますので、何を重視して良いのか分かりません
- 今のところ予定はない
- 未だによくわかっていない
- 視聴の容易さ
資格取得が安易にならないか? - 初期設備投資額、ランニングコスト
- 保険の確認
- 機器の導入費用が痛い。
- どのくらい費用対効果学生あるか
- 検討はしているらしいが、すべての患者さんに適用できるかどうか疑問あり
- 既に資格確認端末は来ていますが、システム導入メーカーから「パソコンが間に合わない」との理由で導入できていない状態です。
- 楽である事
- 受付から投薬までの流れが想像つかない。
- 導入することでどれだけ経営上メリットあるかと考えているから。
- 操作の簡便性
- どのくらい患者さんに浸透しているのか。
- 本人確認の厳格化
- 操作が難しくない事
- こちらが速やかに情報を得られるか。
- どれだけの手間がかかるか
- 集客力は地域差が出ると見込んでいる
- カード読み込みの同意を得る際の説明
- 患者さんに認知されていない。どのように広めていくかが課題。
- 直接かかわることはないがどこまで患者に受け入れられるのか興味がある
- マイナンバーカードの普及率
- まだ、勉強不足でよくわからない。
- 初期導入費を助成してまで国策で推進した点、超高齢化の過疎地で公共交通手段も医療資源も乏しい地域での受診と来局機会をカバーするシステムが必要だと考えたから。
- 簡便さ
- 高齢者でもわかりやすく使えるのか
- 二重の確認
- 保険証変更の際に自動で最新の情報を取得してできるため、保険証番号の入力と返戻の手間が減る。
- マイナンバーカードを持ってきておられるか分からない
- 導入するメリット
- まだよく理解していません。