バイオシミラーに関して薬剤師がどのような課題を感じ対応しているのかを医療従事者専用サイト「m3.com」の薬剤師会員にアンケート調査を実施しました。
対象者 | 「m3.com」薬剤師会員 |
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調査方法 | インターネット調査 |
調査期間 | 2022年6月13日〜2022年6月17日 |
回答者 | 314人 |
Q1.次のうち、現在の勤務先でのバイオ医薬品の使用状況として該当するものを教えてください。
先行バイオ医薬品とバイオシミラーを両方扱っている勤務先が約半数である一方、まだ「バイオ医薬品の取り扱いがない」勤務先も多く存在しました。
先行バイオ医薬品とバイオシミラーを併用している場合は、いずれか一方を優先的に選択して使用されているケースが多いという結果でした。
Q2.次のうち、現在の勤務先で取り扱いがあるバイオシミラーについて、どの疾患領域で使用されているか教えてください。(複数回答可)
2020年の診療報酬改定で在宅自己注射管理料指導料の対象となった疾患領域の製剤はバイオシミラーの導入が増えている一方、がん領域での使用は限定的という結果でした。今回の改定で外来化学療法におけるバイオシミラー使用の加算化により、今後のがん領域での使用拡大が進むか注視されています。
Q3.次のうち、バイオシミラーに対する現在のご自身の考えとして最も近いものを教えてください。(複数回答可)
バイオシミラーに関して不安や不足を感じていないという回答が最も多いという結果でした。
一方、バイオシミラーに関して患者への説明方法が難しいという回答と、製薬企業からのバイオシミラーへの情報提供不足とそれに起因した形で有効性や安全性に不安を持っている回答も多くありました。
Q4.バイオシミラーについて情報提供して欲しいこと、知りたいことを教えてください。(51件)
効能/作用に関するコメント
バイオシミラーと新薬との違い
- 先発品との動態等の違いについて
- 有効性、安全性、先行品との差(効果・副作用・使用方法・使用感等)
- 先発からの切り替えでの相違点。
- 先行バイオ医薬品との差異
- 先発との効果への比較
- 有意差の観点
- 先発との差。値段の差。価値の比較。
バイオシミラーの安全性
- 長期の安全性
- 安全性 先行品との違い
- バイオシミラーの安全性について
- 安全性に関する情報
- 安全性
バイオシミラーの有効性
- 有効性について。変更して実際に有効だったのかどうか
- 有効性・安全性・価格比較等について
バイオシミラーの副作用
- 効果及び有害事象の実態比較
- 副作用情報
- 副作用など
その他
- 使用法
- 新薬の情報
- ジェネリック医薬品との違い
製薬企業からの情報提供に関するコメント
- これから未来のことを考えるしかないので難しいところですが、ヒトでの臨床成績や副作用等の違いがデータとしてほしい
- 薬剤師への情報提供として、先発薬との同質性を担保するデータの積極的な情報提供を望む。販売プロモーションで治験結果のみの説明に終始し、同質性に関する情報を提供しないメーカー(説明できないMR)がいる。また、部下の薬剤師から問い合わせに対して不誠実な対応をとるメーカーがある事を聞いている。
- 病院、診療所に積極的に足を運んでもらいたい
現状切り替えるのに骨が折れる
Drが切り替えてくれれば何ら問題ないしもっと使用量も増えると思う - 先発品使用中の患者でバイオシミラーに切り替えができるのかどうかについてしっかりとした情報提供をしてほしい
歯切れの悪い返答が返ってくることが多い - バイオシミラーを使って医師にどのようなメリットがあるのか。
- 先行品から切り替えた際の有効性、安全性などの情報
患者向けの説明方法に関するコメント
- 同じようなが強調されていますが、違うようなを説明できていません。
- 「ほぼ同じ」という説明は、何が違うかと聞かれることがあります。その説明者次第で患者さんの反応が異なります。説明もシミラーになるマニュアルが必要と感じています。
- 基礎的な知識を有しない、一般人への上手い説明方法
- ジェネリック、先発品との違いを分かりやすく伝える方法
- 情報量の不足はやむを得ないが、患者用の資材については充実させてほしい
- 患者さんへわかりやすい指導
- 患者向け説明文書
- 患者さんへの説明資料の拡充
- 患者向けに簡単な製品紹介
- 説明資材は必要
- CM
その他知りたい情報に関するコメント
- バイオ製品の株のサイクル
- 製薬会社発信の情報だけでなく、広く精査されたデータが見たい。
- 市販後調査を徹底してほしい
- やすくしてほしい
- 供給安定性
- 安定供給
- 流通状況と、安定供給に関する情報
- 情報不足・供給体制について