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「脂肪肝による心不全リスクと改善法」 ファーマスタイルカフェVol.14

2023年7月号
脂肪肝による心不全リスクと改善法の画像

7月28日は「日本肝炎デー」。厚生労働省は、7月28日を含む1週間を「肝臓週間」とし、肝炎の病態や予防、治療などの正しい理解が進むよう普及・啓発を行い、肝炎ウイルス検査の受検を呼びかけています。沈黙の臓器とも呼ばれ、自覚症状が乏しい肝臓は、定期的なセルフチェックが大切ですね。

さて、肝臓に関する疾患として、「Nonalcoholic fatty liver disease; NAFLD(非アルコール性脂肪性肝疾患)」について耳にしたことはあるでしょうか?NAFLDは、アルコールやウイルスなどに起因しない脂肪肝の総称で、患者数は増加傾向にあるといいます。「非アルコール性」といっても、少量の飲酒は含みます(酒に含まれるエタノールに換算して1日あたり男性は30g以下、女性は20g以下)。NAFLDの主な原因は、食生活や運動不足といった生活習慣の乱れや内臓肥満、ストレス、昼夜逆転の仕事など。多くは肥満や糖尿病、脂質異常症、高血圧を伴っており、メタボリックシンドロームの肝臓病と考えられています。進行すると肝硬変や肝がんへと繋がることもあります。

このNAFLDが今号の特集で取り上げた心不全リスクを大幅に高める可能性があることが示唆されました。NAFLD患者の中でも高齢者、男性、糖尿病または冠動脈性心疾患を有する人では心不全リスクが特に高く、年齢、人種、性別を考慮してもNAFLD患者での心不全リスクは、NAFLDではない人の3.5倍に上るといいます。

生活習慣との関係が深い脂肪肝対策は、まずは生活習慣の改善や減量です。日々の生活を見直して、まずは簡単なことから取り組んでいきましょう!

【参考:お酒類のエタノール含有量】
  1. 缶ビール(エタノール濃度5%):
    350mL缶2本右の画像約28g
    500mL缶1本右の画像約20g
  2. 日本酒(エタノール濃度15%):
    約180mL(1合)右の画像約22g
  3. ワイン(エタノール濃度12%):
    約180mL(グラス2杯程度)右の画像約17g
  4. 焼酎(エタノール濃度25%):
    約180mL(1合)右の画像約36g
【脂肪肝の改善運動】

糖質を消費する骨格筋を増やすため、運動は1週間に250分以上

背中の筋肉を鍛えるおじぎ運動:10回程度
  1. 両手を交差して胸の上におく。
  2. 背筋を伸ばしたまま上半身を前に倒して元に戻す。目線はできる限り下を向かず前へ。はじめは軽いおじぎでOK。
お尻と脚の筋肉を鍛えるスクワット:10回程度
  1. 両手を交差して胸の上におく。
  2. 背筋を伸ばしてお尻を後ろに突き出すように膝を曲げる。

注:膝の痛みの原因になるため、膝が内側に入らないように

厚生労働省 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/kanen/kangan/kanenday.html
肝炎情報センターHP https://www.kanen.ncgm.go.jp/cont/010/shibousei.html
日本消化器病学会ガイドラインHP https://www.jsge.or.jp/guideline/disease/nafld.html
ケアネットHP記事(2022年12月14日) https://www.carenet.com/news/general/hdn/55498

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