Q1. どんなウイルス?
人に感染するコロナウイルスは全部で7種類。新型(COVID-19)はうちの一つ。コウモリが起源となった可能性あり。
Q2. どうやって感染する?
飛沫感染(くしゃみ、咳、つば)と接触感染(電車やバスのつり革、ドアノブ、エスカレーターの手すり、スイッチなど)。感染拡大防止のために他人との間隔は2mとる必要があることが世界で知られ始めている。フォルクスワーゲンやアウディのロゴを分離し、ソーシャル・ディスタンスを訴求するなども話題。
Q3. ヒト以外からの感染は?
2020年4月1日時点で、ペットや食品から人に感染した事例は見つかっていない。
ただし、食品や食事の配膳等を行う場合は、不特定多数の人と接する可能性があるため、接触感染に注意する必要がある。
Q4. 感染すると?
感染者の20%程度で重症化し、息切れ、激しい咳、高熱が続く。感染者の5%程度では、1~2週間で呼吸困難となり人工呼吸器が唯一の治療法となる。
Q5. 味覚や嗅覚が異常になる?
韓国の報告によると、感染者3,191人のうち、488人(約15.3%)が嗅覚または味覚のいずれかに問題があり、251人(約7.9%)嗅覚と味覚の両方に異常があるとのこと。
Q6. 致死率は?
60歳以上で致死率が急上昇。中国のデータでは、80歳代の罹患者は約15%が死亡。20歳代、30歳代でも、500人に1人程度は死亡。
Q7. 検査は?
PCR検査。のどや鼻の奥にある粘膜や分泌物などの検体に含まれる遺伝子を増幅させて調べる。 新型コロナウイルスの遺伝子の断片が含まれていれば検出し、感染があったかどうかを判定。一般的に使用されている検査機器は4時間程度かかる。
Q8. 検査の開発状況は?
シスメックス社の国内初体外診断用医薬「2019-nCoV 検出蛍光リアルタイム RT-PCR キット」が承認。杏林製薬社が1時間余りで結果が分かる機器を商品化。エムスリー社と聖マリアンナ医科大学病院が、感染疑い症例の遠隔画像診断支援サービスを無償で開始。富士フイルム和光純薬社からも検査時間短縮の遺伝子検出キットが4月15日から発売予定。
Q9. マスクの効果は?
自身が飛沫感染を発生させるのを防ぐ上で高い効果がある。自身の被感染予防としてのマスク着用は、屋内や乗り物など換気が不十分な場所では一つの感染予防策だが屋外などでは、相当混み合っていない限り予防効果はあまり認められていない。
Q10. 治療薬は?
抗ウイルス薬の確立はまだ。対症療法として解熱剤や鎮咳薬、点滴等の投与期間中に作られる体内の抗体により治癒に至ると考えられている。イブプロフェンの服用による悪化の科学的根拠はない。
Q11. 有効の可能性のある製剤は?
ファビピラビル(アビガン®、抗インフルエンザ薬)、レムデシビル(エボラ出血熱の治療薬)、ロピナビル・リトナビル(カレトラ®、抗HIV薬)、シクレソニド(オルベスコ®、喘息治療薬)、ナファモスタットメシル酸塩(フサン®)。ファビピラビルは、承認に向け臨床試験開始、6月末の試験終了を目指す。レムデシビルも4月中に試験開始予定。そのほか、トシリズマブ(遺伝子組換え)(アクテムラ®、関節リウマチ治療薬)、ルキソリチニブ(ジャカビ®、骨髄線維症治療薬)もCOVID-19に対する第Ⅲ相試験を開始予定。
Q12. ワクチンの開発は?
アンジェス社と大阪大学が、DNAワクチンを共同開発し、非臨床試験(動物投与)を開始。最短の場合9月には臨床試験へ。米国J&J社が10億回分を超えるワクチンを世界規模で供給することを目指すと表明。2021年初頭には、緊急用に利用可能になることを見込んでいる。
Q13. 医薬品の供給は?
インドがロックダウンし、抗菌薬、抗ウイルス薬などの原薬や中間体が一時輸入制限。4月8日までに解除したものの、輸送手段の制限など懸念点が残る。日本医薬品卸売業連合会は、医薬品の受注や配送について、平常時とは異なる対応をとる場合があるとして理解を求める。
参考資料
- 新型コロナウイルスに関するQ&A(一般の方向け)
- 日本感染症学会「COVID-19 に対する抗ウイルス薬による治療の考え方 第1版」
- 「山中伸弥による新型コロナウイルス情報発信」
- シスメックス株式会社ニュースリリース(2020年3月27日)
- 日本医事新報社ニュース(2020年3月30日)
- NHKオンラインニュース(2020年3月31日)
- エムスリー株式会社プレスリリース(2020年3月31日)
- アンジェス株式会社プレスリリース(2020年3月26日)
- 朝日新聞GLOBE+(2020年3月5日)
- ジョンソン・エンド・ジョンソン日本法人グループ プレスリリース(2020年3月31日)
- 日刊薬業(2020年3月26日)
- 日本医薬品卸売業連合会 緊急メッセージ(2020年4月2日)
- ワールドビジネスサテライト(2020年4月3日放送)
- 富士フイルム和光純薬株式会社プレスリリース(2020年4月3日)
- ノバルティス ファーマ株式会社プレスリリース(2020年4月7日)
- 中外製薬株式会社ニュースリリース(2020年4月8日)
※本ページの情報は、2020年4月9日時点までのものです。最新情報は変更となっている可能性があります。