カギカズラ Uncaria rhynchophylla (アカネ科)
成分 | アルカロイド:リンコフィリン、イソリンコフィリン、ヒルスチン、ジヒドロコリナンテイン |
---|---|
効能 | 鎮痙、鎮静、鎮痛、血圧降下 など |
配合処方 | 七物降下湯(しちもつとうかとう)、釣藤散(ちょうとうさん)、抑肝散(よくかんさん)、抑肝散加陳皮半夏(よくかんさんかちんぴはんげ)など |
するどい鈎をもつロッククライマー
カギカズラは日本の暖かな地方に野生している蔓性の木で、九州をはじめ関東地方の房総半島あたりまで見られます。葉のすぐ上部に短枝が変化して下方に曲がり、先端のとがった鈎状の棘があります。その鈎のつき方に特徴があり、左右に 2個出るものと1個出るものが交互につきます。この鈎状の棘により枝の先端部を他の植物に巻 きつけ登って成長します。6~7月にかけて淡黄色をした筒状の花が球状にかたまって葉の基か ら出た花柄上につきます。
子どもから老人まで興奮を静める立役者
鈎状の棘の部分を生薬の「釣藤鈎(ちょうとうこう)」として、漢方では鎮痙、鎮静、血圧降下の効があるとして脳動脈の硬化、痙攣、高血圧、頭痛、めまい、小児のひきつけなどに用いられます。最近の研究では、釣藤鈎にアルツハイマー病の原因蓄積物質であるアミロイドβタンパクの凝集抑制作用があると報告されています。医療用漢方製剤148処方には抑肝散(よくかんさ…