◼︎認知症の新薬レカネマブと検査薬が承認了承
厚生労働省薬事・食品衛生審議会の8月21日の部会にて、アルツハイマー病の新薬レカネマブの承認が了承された。適応は「アルツハイマー病による軽度認知障害及び軽度の認知症の進行抑制」。
レカネマブとともに承認が了承されたのがフルテメタモル(ビザミル静注)とフロルベタピル(アミヴィッド静注)。フルテメタモルとフロルベタピルは、脳内のアミロイドβの沈着状況を評価するためのポジトロン断層撮影(PET)用の放射性医薬品。これらは「アルツハイマー型認知症が疑われる認知機能障害を有する患者の脳内アミロイドベータプラークの可視化」として承認取得しているが、保険適用はない。今回、レカネマブによる早期介入の重要性が考慮され、軽度認知障害が適応に加わり、保険適用も期待される。
◼︎アルツハイマー病による軽度認知障害とは
アルツハイマー病には病期によって、発症前段階、アルツハイマー病による軽度認知障害、アルツハイマー病による認知症に3分類される。この2段階目にあたるアルツハイマー病による軽度認知障害は、記憶障害が中心となり、正常ではないが認知症でもなく、認知機能の低下があるものの基本的な日常生活機能は正常、という状態を指す。診断基準が複数あるが、多数の被験者のデータから確立されているPetersenの診断基準では次のように示されている。