◼︎初の5種混合ワクチンとメリット
厚生科学審議会の予防接種・ワクチン分科会予防接種基本方針部会 ワクチン評価に関する小委員会(以下、小委員会)は、2023年8月29日、5種混合ワクチンを定期接種に位置付ける方針を了承した。
5種混合ワクチンとは、定期接種となっている百日せき、ジフテリア、破傷風、ポリオ、ヘモフィルスインフルエンザ菌b型(Hib)の5種の感染症を予防するワクチンで、5種混合は田辺三菱製薬と阪大微生物病研究会が2023年3月に初めて製造販売承認を取得した(KMバイオロジクス社は承認申請中)。これらの感染症に対する現行の定期接種は、4種混合ワクチンとHibワクチンの2種類のワクチン接種となっている。5種混合にすることで接種回数を減らし、乳幼児や保護者の負担を軽減するほか、効率的な接種による早期免疫の獲得や接種漏れの回避といったメリットが挙げられる。
◼︎定期接種化に向けた既存品目との比較
既に定期接種となっている疾患に対して、新たにワクチンが薬事承認された場合には、その都度、「有効性」・「安全性」・「費用対効果」の観点で検討・評価が行われる。
5種混合ワクチンは、現行の2種類のワクチン接種と比較して、有効性・安全性は同等とされた。接種に関わる費用