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性格判断の法則

2019年4月号
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人の性格は4つのタイプに分類できる!?

人の性格を判断する方法として、「ビッグ・ファイブ」と呼ばれる理論があります。これは、米国の心理学者ルイス・R・ゴールドバーグが提唱したもので、「神経症傾向」「外向性」「経験への開放性」「協調性」「誠実性」という5つの特性によって、人の性格を判断します。「神経症傾向」は、環境からの刺激やストレスを引き起こす刺激に対する敏感さ、不安や緊張の強さ。「外向性」は、社交性や活動性、積極性。「経験への開放性」は、知的好奇心の強さ、想像力、新しいものへの親和性。「協調性」は、利他性や共感性、優しさ。「誠実性」は、自己統制力や達成への意志、真面目さ、責任感の強さをあらわします。
このビッグ・ファイブ理論は、今日でも多くのパーソナリティ研究で用いられていますが、米ノースウエスタン大学の研究チームが、約150万人の人々を対象にビッグ・ファイブ理論に基づくオンライン調査を行った結果、「人の性格は4つのタイプに分類できる」ことが明らかになりました1)。各々の特徴は、次のように示されています。

◉平均的(Average)タイプ

多くの人が分類されるタイプで、「神経症傾向」と「外向性」が高く、「経験への開放性」が低い。

◉自己中心的(Self-centred)タイプ

「外向性」が高いものの、「経験への開放性」「協調性」「誠実性」は平均よりも低い。

◉控え目(Reserved)タイプ

感情が安定しており、「神経症傾向」と「経験への開放性」が低い。

◉模範的(Role model)タイプ

「神経症傾向」が低く、「外向性」「誠実性」「協調性」「経験への開放性」が高い。

同研究では、「平均的(Average)タイプ」は男性よりも女性に多く、年齢を重ねるにつれて男女とも人数が減る傾向が認められました。「自己中心的(Self-centred)タイプ」は若年者に多く、加齢とともに男女とも人数が急激に減っていました。「控え目(Reserved)タイプ」は4タイプのなかで最も 人数が少なく、年齢や性別はあまり関係がなく、各年齢層で一定の割合でした。「模範的(Role model)タイプ」は特に女性に多くみられ、加齢とともに女性の人数が増えている傾向が示されました。
この結果をみると、若いときに自己中心的なタイプであっても、年齢を重ねると協調性が増し、違うタイプに変わっていくという可能性が考えられます。また、加齢とともに模範的なタイプの女性が多くなっていくのも興味深い結果です。協調性、誠実性は、遺伝的要因よりも主に環境的要因(友人や家族との関係、仕事、子育てなど)によって獲得している可能性があります。

  1. Gerlach M, et al.: Nature Human Behaviour 2018; 2: 735-742

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