ヒトなどの内骨格の生物は、骨と筋肉の健康が重要
映画では、全長数mの巨大昆虫が人を襲うシーンがよく見られます。しかし、昆虫が巨大化の際に新たな能力を身につけず、小さい体が単に大きくなっただけなら、恐れることはありません。なぜなら、その巨大昆虫は動くことができないからです。
昆虫類や甲殻類といった外骨格の生物は、体全体が硬い殻に覆われ、圧力や衝撃から身を守るという長所を持っています。ところが、この殻のせいで大きくなれないという短所もあるのです。大型化を図ろうとすれば重量が増え、その体を支えるために外骨格が厚みを増さなければならず、体を動かすために筋肉を蓄えようとしても厚みを増した殻のために体内にスペースがない、という状態に陥ります。体重が増えると、脚も簡単に折れてしまうでしょう。石炭紀(約3億5900万年前~2億9900万年前)にはメガネウラという体長70cmの巨大トンボがいましたが、その後、これよりも大きなサイズの昆虫は出現していません。むしろ、昆虫は小型化することで、大型化によって問題となる重力の制約を回避でき、しかも天文学的な数まで繁殖することが可能になったと考えられます。
一方、ヒトをはじめとした内骨格の生物は、骨格の外側に筋肉をつけるため、その量は限定されません。同じ年齢の男性なのに、