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魚食のベネフィット&リスクの法則

2019年2月号
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DHA+EPAは血管死を抑制するが、水銀とMPには注意が必要

日本人はだんだん魚を食べなくなってきています。厚生労働省による国民健康・栄養調査1)で国民1人1日当たりの食品群別摂取量を見ると、2003年は魚介類86.7g、肉類76.9gだったのに対し、2017年は魚介類64.4g、肉類98.5gと、食の嗜好が大きく変化していることがわかります。しかも、肉よりも魚を多く食べるようになるのは、2003年では40歳代以降でしたが、2017年ではようやく70歳代からとなっています。
和食は、栄養バランスに優れた健康的な食事として、2013年、ユネスコ無形文化遺産に登録されました。米、味噌汁、野菜、きのことともに、和食で欠かせないのが魚介類です。世界的に和食のよさが注目されている中、本家本元の日本で魚食離れが起こっているというわけです。
魚食が健康によいとされるのは、魚にn-3系多価不飽和脂肪酸(ドコサヘキサエン酸:DHA、エイコサペンタエン酸:EPA)が多く含まれているためです。全国300地区の9,190人を24年間追跡したNIPPON DATA80の報告では、DHAとEPAの1日合計摂取量が最も少なかった群(サンマ1/4尾程度に相当)に比べ、最も多かった群(サンマ1尾弱に相当)では循環器疾患(冠動脈疾患、脳卒中)の死亡リスクは20%低いことが示されています2)。また、エビデンスレベルが高いとされるランダム化比較試験(RCT)のメタアナリシスでは、DHAとEPAの摂取量の増加により、血管死(心筋梗塞死、脳卒中死、突然死)の抑制が認められています3)
DHAとEPAを摂るには、サンマ、ブリ、イワシ、サバなどの青魚を食べるのが効果的ですが、両成分は“あぶら”の一種なので、加熱すると流出します。したがって、DHAとEPAの恩恵を最大に得ようとするなら、刺身や昆布締め、カルパッチョなど、生の状態で食べるのが一番です。その他の調理法では、溶け出したDHA…

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