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【特定薬剤管理指導加算】「最初に処方された1回に限り算定」って?
エキスパートクイズ

乳がん|答えて学ぼうエキスパートクイズ

2018年8月号
エキスパートクイズの画像

乳がん治療はサブタイプによって治療戦略を組み立てるを読んで、正しく理解できたかチエックしてみましょう!

Q1 以下の文章の( )内に当てはまる用語を答えよ

嘔気・嘔吐は、抗がん薬による脳の中の(❶)が刺激されることで生じる。抗がん薬投与開始後24時間以内に出現する(❷)、抗がん薬投与開始24時間以後に出現する(❸)、精神的な要因により出現する(❹)がある。乳がんのキードラッグでは、嘔気・嘔吐を生じやすい抗がん薬は、(❺)、しびれを生じやすい抗がん薬は(❻)、(❼)などがある。

Q1の答え 表示

嘔気・嘔吐は、抗がん薬による脳の中の((❶ 嘔吐中枢)が刺激されることで生じる。抗がん薬投与開始後24時間以内に出現する(❷ 急性悪心・嘔吐)、抗がん薬投与開始24時間以後に出現する(❸ 遅発性悪心・嘔吐)、精神的な要因により出現する(❹ 予測性悪心・嘔吐)がある。乳がんのキードラッグでは、嘔気・嘔吐を生じやすい抗がん薬は、(❺ドキソルビシン)、しびれを生じやすい抗がん薬は(❻ドセタキセル)、(❼パクリタキセル)などがある。

乳がん治療はサブタイプによって治療戦略を組み立てるを読んで、正しく理解できたかチエックしてみましょう!

Q2 悪心・嘔吐の患者関連因子として該当するものを選べ

  • 1 女性
  • 2 低年齢
  • 3 飲酒習慣の有無
  • 4 喫煙歴の有無
Q2の答え 表示
  • すべて

解説

悪心・嘔吐の関連因子は、治療関連因子と患者関連因子がある。治療関連因子としては、がん薬物療法に伴うものと放射線治療に伴うものに大別される。患者関連因子については、がん薬物療法施行時に、女性、低年齢であれば発現頻度が高いとされる。飲酒習慣はシスプラチンでは関連が低いと報告されている。日本で実施されたランダム化比較試験では、急性期嘔吐性事象の関連因子として女性、低年齢、飲酒習慣無し、喫煙歴無しが、遅発性嘔吐性事象の関連因子として女性が挙げられた。治療関連因子はリスク分類がなされ、推奨される制吐薬は決まっているが、患者関連因子に対する対処方法についてはコンセンサスが得られていないのが現状である。

(日本癌治療学会編「制吐薬適正使用ガイドライン第2版」参照)

長期にわたる治療を続けるために患者の生活に寄り添った副作用対策を行うを読んで、正しく理解できたかチエックしてみましょう!

Q3 以下の文章の( )内に当てはまる用語を答えよ

抗がん薬治療において、嘔気を誘発する神経伝達物質としては、(❶)、(❷)、(❸)などがある。制吐療法としてはそれらの物質に拮抗する薬剤を使用するが、例えば、選択的NK1受容体拮抗型制吐剤(❹)やグラニセトロンなどの(❺)、ドパミン受容体拮抗薬としては(❻)などがある。また、従来、抗精神病薬・双極性障害治療薬として使用されてきた(❼)も2017年12月に、抗悪性腫瘍剤(シスプラチン等)投与に伴う消化器症状に対して効能が追加され、最近では使用される機会が増えている。

Q3の答え 表示

抗がん薬治療において、嘔気を誘発する神経伝達物質としては、(❶セロトニン)、(❷ サブスタンスP)、(❸ドパミン)などがある。制吐療法としてはそれらの物質に拮抗する薬剤を使用するが、例えば、選択的NK1受容体拮抗型制吐剤(❹アプレピタント)やグラニセトロンなどの(❺5-HT3受容体拮抗型制吐剤)、ドパミン受容体拮抗薬としては(❻メトクロプラミド)などがある。また、従来、抗精神病薬・双極性障害治療薬として使用されてきた(❼オランザピン)も2017年12月に、抗悪性腫瘍剤(シスプラチン等)投与に伴う消化器症状に対して効能が追加され、最近では使用される機会が増えている。

出題者よりコメント

高催吐リスクの抗がん薬治療であっても近年では外来で治療が行われることが増えています。一方、医薬分業の観点から院外処方せんを発行する医療機関が多く、したがって、保険調剤薬局においては、抗がん薬の点滴を受けた直後の患者が来局し、これらの制吐剤を調剤する可能性があります。そこで、抗がん薬の悪心・嘔吐について本クイズで主に取りあげ、リスク分類や嘔気の種類に準じた制吐剤を理解する上で重要となる薬剤について出題しました。

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