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特集クイズ

要介護を食い止めるフレイル高齢者の薬物療法の秘訣|答えて学ぼう特集クイズ

2022年6月号
特集Quiz

要介護を食い止めるフレイル高齢者の薬物療法の秘訣を読んで、正しく理解できたかチエックしてみましょう!

Q1 次のうち、フレイルの説明として正しくないものは?

  • フレイルは、加齢による予備能力の低下で様々なストレスへの抵抗力・回復力が低下した状態。
  • 身体的、認知・精神・心理的、社会的といった3つの側面を持つ。
  • フレイルから要介護状態に進行しても、適切な治療によって再びフレイル状態に戻ることができる。
  • 加齢に伴う食欲不振は潜在的な修正可能なフレイルの危険因子の一つと考えられる。
Q1の答え 表示
  • フレイルから要介護状態に進行しても、適切な治療によって再びフレイル状態に戻ることができる。

解説

いちど要介護状態に至ると不可逆性が高くなる。そのため、フレイルやプレフレイルの状態で予防することが重要である。

要介護を食い止めるフレイル高齢者の薬物療法の秘訣を読んで、正しく理解できたかチエックしてみましょう!

Q2 次のうち、フレイルと薬剤の関係として正しくないものは?

  • 降圧薬(特に中枢性降圧薬、α遮断薬、β遮断薬)はふらつき・転倒・記憶障害などの症候の原因薬剤となる。
  • 非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)は食欲低下などの症候の原因薬剤となる。
  • 過活動膀胱治療薬 (ムスカリン受容体拮抗薬)は便秘・排尿障害・ 尿失禁などの症候の原因薬剤となる。
  • 腸管鎮痙薬 (アトロピン、ブチルスコポラミン)は抑うつなどの症候の原因薬剤となる。
Q2の答え 表示
  • 腸管鎮痙薬 (アトロピン、ブチルスコポラミン)は抑うつなどの症候の原因薬剤となる。

解説

薬剤起因性の抑うつの原因薬剤として注意しなければならないのは、中枢性降圧薬、β遮断薬、抗ヒスタミン薬(H2受容体拮抗薬含む)、抗精神病薬、 抗甲状腺薬、副腎皮質ステロイドとされている。

要介護を食い止めるフレイル高齢者の薬物療法の秘訣を読んで、正しく理解できたかチエックしてみましょう!

Q3 次のうち、J-CHSによるフレイルの評価基準として正しくないものは?

  • 6か月で2-3kg以上の体重減少
  • 15秒以上の片足立ちができない
  • 通常の歩行速度が1.0m/秒以下
  • 握力が男性で26kg以下、女性で18kg以下
Q3の答え 表示
  • 15秒以上の片足立ちができない

解説

片足立ちの時間はJ-CHSの評価基準とはなっていない。その他の評価基準として、「疲労感(この2週間に)わけもなく疲れたような感じがする」や「身体活動 ①軽い運動・体操などをしているか?/②定期的な運動・スポーツをしているか?」などがある。

要介護を食い止めるフレイル高齢者の薬物療法の秘訣を読んで、正しく理解できたかチエックしてみましょう!

Q4 (第106回薬剤師国家試験より)
75歳以上のサルコペニア(加齢性筋肉減少症)の高齢者160名を対象に健康教育を行うとともに、4つのグループに無作為に分類して筋力トレーニング(筋トレ)、ロイシン高配合の必須アミノ酸のサプリメント摂取(サプリ摂取)を定期的に行いながら追跡調査を行った。3ヶ月後、膝関節伸展筋力を指標としてサルコペニアが改善した者と改善しなかった者に分けたところ、以下の表の結果となった。また、3ヶ月後の膝関節伸展筋力の変動(%)を調べて図に示した。
サルコペニア及びこの疫学研究に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

サルコペニア筋トレサプリ摂取追跡調査をの画像 3ヶ月後の膝関節伸展筋力の変動(%)を調べの画像
  • 1 サルコペニアは、ロコモティブシンドローム(運動器症候群)と同様に、将来介護が必要となる要因の一つである。
  • 2 「健康教育+ 筋トレ」群よりも「健康教育+ サプリ摂取」群の方が、「健康教育のみ」群に対するサルコペニアの相対危険度は小さい。
  • 3 「健康教育+ 筋トレ+ サプリ摂取」群の、「健康教育のみ」群に対するサルコペニアの相対危険度は、約0.76である。
  • 4 この図から、筋トレよりもサプリ摂取を行う方が、膝関節伸展筋力の改善効果が高いことがわかる。
  • 5 この疫学研究方法は、コホート研究である。
Q4の答え 表示
  • 1 サルコペニアは、ロコモティブシンドローム(運動器症候群)と同様に、将来介護が必要となる要因の一つである。
  • 3 「健康教育+ 筋トレ+ サプリ摂取」群の、「健康教育のみ」群に対するサルコペニアの相対危険度は、約0.76である。

解説

ロコモティブシンドロームは、「運動器の障害のために移動機能の低下をきたした状態」と定義されている。運動器の障害は介護の原因に大きく関与しているとされる。
全体のうち改善しない人の割合は「健康教育+筋トレ」群では33/40、「健康教育+ サプリ摂取」群では35/40、「健康教育のみ」群では37/40となる。相対危険度は危険度の割合のため、「健康教育+筋トレ」群の「健康教育+筋トレ」群に対する相対危険度は33/40÷37/40で約0.89、「健康教育+ サプリ摂取」群の「健康教育+筋トレ」群に対する相対危険度は35/40÷37/40で約0.95となり、2の説明文は誤り。
「健康教育+ 筋トレ+ サプリ摂取」群の、「健康教育のみ」群に対するサルコペニアの相対危険度は、28/40÷37/40で約0.76となる。
グラフの「健康教育+ 筋トレ」群と「健康教育+ サプリ摂取」群の膝関節伸展筋力を比べると有意差はないものの、「健康教育+ 筋トレ」で筋力のプラスの変化が大きい。
問題文の「無作為に分類して」という記述から、コホート研究ではなくランダム化比較試験と判断する。

要介護を食い止めるフレイル高齢者の薬物療法の秘訣を読んで、正しく理解できたかチエックしてみましょう!

Q5 (第110回看護師国家試験より)
身体的フレイルの評価基準はどれか。2つ選べ。

  • 1 視力低下
  • 2 体重減少
  • 3 聴力低下
  • 4 歩行速度の低下
  • 5 腸蠕動運動の低下
Q5の答え 表示
  • 2 体重減少
  • 4 歩行速度の低下

解説

身体的フレイルの評価基準は「体重減少」「筋力低下」「疲労感」「歩行速度」「身体活動」の5項目である。

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