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マスクの法則

2020年12月号
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COVID-19の“2つの特徴”から示されるマスク着用の有用性

2020年ほど、マスクという言葉が人々の口の端に上った年はないと思われます。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)対策としてマスクの着用を推奨するかどうかは、未だに国によって違いがみられますが、コロナ禍のなかでマスクの着用をどのように捉えればよいのでしょうか。
COVID-19の特徴として、(1)新型コロナウイルスに感染しても症状が出ない人がいる、(2)飛沫感染や接触感染が主な感染経路だが、空気感染も起こりうる、という2つのポイントが指摘されており、マスク着用の有用性を示す最近の論文や内外の関係機関による声明でも、この点が言及されています。
例えば、COVID-19におけるマスク着用のエビデンスをまとめたSusanna Esposito氏(イタリア・パルマ大学ピエトロ・バリラ病院小児クリニック)らの報告1)では、イタリア北部の約3,000人の村での調査でCOVID-19陽性者の50~75%が完全に無症候性だったことなどから、自分自身の感染に気づいていない患者が多数いることを示唆。さらに、ウイルスは、話したり呼吸したりすることによって生成される呼気中にも存在すると指摘しています。つまり、お互いに健康であると認識していても、換気のよくない部屋で会話をしているだけで、いつの間にか感染したり、感染させたりすることがありうるわけです。この点を踏まえ、同論文では「感染しない」「感染させない」という両面での対策として、マスクの着用を強く推奨しています。

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