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【特定薬剤管理指導加算】「イ(RMP)」「ロ(選定療養)」算定Q&A
Special Report

薬局の物販戦略【第1回】薬局物販の基礎固め

2022年5月号
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生活習慣や健康上の課題に対して処方薬以外の提案や、未病へのアプローチなど薬局に求められる役割が広がっています。そこで物販への挑戦を考える薬局も多いのではないでしょうか。今回は、調剤薬局に向けて物販のあり方・取り組み方法などの講演を実施している株式会社 YRK andの森本 和也氏に薬局物販のポイントについてお話しいただきました。

物販は保険点数の埋め合わせではない 「患者さんの固定化」が物販の意義

調剤報酬の改定のたびに点数が引き下げられ、なかなか加算も取りにくくなっている…こうした現状に多かれ少なかれ悩んでいる調剤薬局も多いと思います。そこで、その減収分の埋め合わせとして物販に取り組もうと考えているのであれば、それは難しいといえるでしょう。やはり、物販の収益は通常の処方せん調剤には遠く及びません。
では物販の意義とは何かを考えると、「来局者の固定化」です。ある疾患や症状に悩んでいる患者さんに、「通常の食品よりも多少高価ですが、こんな機能がある食品がありますよ。食事に少し取り入れてみては」「○○が理由でなかなか眠れないのであれば、こうした物を試してみては」と薬剤師が紹介する。商品の購入に至らないにしても、薬にプラスαとして自身に役立つ情報が薬剤師から得られることで、薬局が「ただ薬を受け取る場所」ではなくなり、患者さんがその薬局に継続して来局する意義を感じられます。物販は患者さんを繋ぎとめるコミュニケーションツールになりえるのです。
物販の話から少し逸れますが、こうした患者さんの固定化を図る取り組みとして、自分で爪が切れない高齢者に爪切りサービスの提供や、店舗前に茶屋のようなコミュニティスペースを設置している薬局もあります。

薬局物販の大きな障壁は薬剤師の意識?

物販に取り組んでいる調剤薬局は、現状ではまだ少ないといえます。その要因は複数あるでしょう。狭い店舗での販売や在庫スペースの確保、在庫管理、商品知識の習得などの難しさも考えられますが、特に課題なのが、薬剤師さんの意識にあるのではないかと私は思っています。薬剤師は医療従事者であり、営業のように商品を「売り込む」ことに抵抗感がある、また薬を「早く・正しく処方する」ことに専念して、それ以外の業務に取り組めていない実情が大きな障壁になっているのではないでしょうか。

物販の土台となるコミュニケーション 「睡眠・食事・排泄」の確認

基本的に薬剤師さんは、服薬指導における患者さんとのコミュニケーションのなかで「睡眠・食事・排泄」に関することを確認していると思います。患者さんの生活や習慣、性格などの背景を含めてどんな人か理解するうえで、こうしたコミュニケーションは欠かせられません。この3点に関するコミュニケーションが薬局での物販実践の土台にもなります。
患者さんを観察し、会話をしながら「最近、痩せてきたのではないか」「眠れていないのではないか」と感じる点があれば、その理由を確認して何か薬局で対処できる方法を提供できないかと考える。これが物販の起点になります。こうしたコミュニケーションもなく処方せんを受け取って「少々お待ちください」と薬を受け渡すだけであれば、物販には適していないかもしれません。

主な顧客像は高齢で慢性疾患患者さん 商品のみでは来局目的にはなりにくい

薬局物販でどういった商品を取り扱うか。それは当たり前のようですが、薬局に来る方の人物像から考えます。
そもそも来局者は、自分あるいは家族の身体に何らかの支障があり、小児科の門前薬局を除けば約7割が60歳以上の高齢者で、そのうちの約7割が慢性疾患の患者さんだといわれています。調剤薬局の顧客像は、スーパーといった一般の小売店よりも明確です。
調剤薬局で、新規の来局者数を増やすために何か目玉となるような特別な商品を取扱い、収益を得ようするのはなかなか難しいことだと思います。当社でも検証したことがありますが、特定の商品購入を目的に患者さんが来局することは、ほぼありませんでした。やはり、調剤薬局へのメインの来局目的は、処方薬の購入や受け取りといえるでしょう。

商品は勧めたいものとニーズに応える視点で品揃えよりも回転率を上げる

患者さんと日々接しているなかで「もう少し栄養面で何かアドバイスできないだろうか」「こういった物で生活をサポートできれば」と薬剤師さん自身も感じることはあるのではないでしょうか。その思いを物販と結びつけましょう。まずは薬剤師さんが、

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