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特集クイズ

関節リウマチ診療の最新の考え方|答えて学ぼう特集クイズ

2022年7月号
特集Quiz

関節リウマチ診療の最新の考え方を読んで、正しく理解できたかチエックしてみましょう!

Q1 次のうち、関節リウマチの症状の説明として正しいものは?

  • 関節症状であるこわばりは、夜間に最も強く症状が出る。
  • 関節症状は左右非対称性に出現することが多く、最も多いのは肩である。
  • 関節リウマチは全身性の慢性炎症性疾患のため、炎症が肺の肺胞組織に及ぶと間質性肺炎になることもある。
  • 関節破壊の進行による関節機能障害は可逆的である。
Q1の答え 表示
  • 関節リウマチは全身性の慢性炎症性疾患のため、炎症が肺の肺胞組織に及ぶと間質性肺炎になることもある。

解説

こわばりが最も強く発現するのは夜間ではなく朝。関節症状は左右対称性に出現することが多く、指の第二、第三関節や、手首の関節に多くみられる。関節破壊が進行してしまうと関節機能障害は不可逆的で、QOL低下を改善することが困難となる。

関節リウマチ診療の最新の考え方を読んで、正しく理解できたかチエックしてみましょう!

Q2 関節リウマチ治療におけるMTX服用法について、各空欄に正しいものを選択してください。

診断後、禁忌がなければ速やかにメトトレキサート(MTX)を導入し、(❶)週間ごとに適切な投与量まで増量していくのが標準的な治療です。MTXは(❷)回の服用ですが、12時間ごとに分2または分3で服用してもらい、最終服用から48時間後に副作用軽減のために(❸)を服用してもらいます。

  • ア:1~3   イ:2~4   ウ:3~5
  • ア:週1   イ:週2   ウ:2週に1
  • ア:葉酸製剤   イ:鉄剤   ウ:カルシウム製剤
Q2の答え 表示
  • 1 ❶イ ❷ア ❸ア

解説

MTXは関節リウマチのアンカードラッグだが、服用方法が複雑なため、特に服用方法が変わるタイミングでは服薬過誤やアドヒアランスの低下に注意する。

関節リウマチ診療の最新の考え方を読んで、正しく理解できたかチエックしてみましょう!

Q3 関節リウマチの適応を持たないJAK阻害薬は?

  • バリシチニブ
  • ペフィシチニブ
  • ウパダシチニブ
  • アブロシチニブ
Q3の答え 表示
  • アブロシチニブ

解説

アブロシチニブ(サイバインコ錠)は2021年12月に販売開始となったアトピー性皮膚炎の新薬で、関節リウマチの適応はない(2022年6月現在)。

関節リウマチ診療の最新の考え方を読んで、正しく理解できたかチエックしてみましょう!

Q4 (第99回薬剤師国家試験より)関節リウマチに関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

  • 1 滑膜細胞からは、IL-6やTNF-αなどの炎症性サイトカインが分泌される。
  • 2 合併症として、間質性肺炎がある。
  • 3 リウマトイド因子は、IgMのFc部分に対する自己抗体である。
  • 4 全身の大小の関節が障害されるが、脊椎は障害されない。
  • 5 手指では、特に遠位指節間関節(DIP)が障害されやすい。
Q4の答え 表示
  • 1 滑膜細胞からは、IL-6やTNF-αなどの炎症性サイトカインが分泌される。
  • 2 合併症として、間質性肺炎がある。

解説

3について、リウマトイド因子(rheumatoid factor: RF)とは、IgGに対する抗体の総称であり、そのほとんどがFc部分に反応するIgM型の抗体。
4について、症状の進行にしたがって頚椎、胸椎、腰椎にも障害が発症することがある。
5について、遠位指節間関節(DIP)にもみられることはあるが、手指の近位指節間関節(PIP)や中手指節間関節(MCP)がより障害されやすいとされる。

関節リウマチ診療の最新の考え方を読んで、正しく理解できたかチエックしてみましょう!

Q5 (第102回薬剤師国家試験より)
50歳女性。関節リウマチに対して、メトトレキサートで治療を開始した。6ヶ月間継続後、寛解の目標を達成できず、生物学的製剤の導入が検討された。関節リウマチに用いる生物学的製剤に関する記述のうち正しいのはどれか。2つ選べ。

  • 1 いずれもTNF−α(腫瘍壊死因子−α)阻害薬である。
  • 2 痛み、腫れを抑えるが、関節破壊の進行を抑えることはできない。
  • 3 TNF−α阻害薬が奏攻しない場合は、別のTNF−α阻害薬を用いてもよい。
  • 4 いずれもメトトレキサートとの併用が必須である。
  • 5 いずれも治療開始前に結核の既往歴を確認する。
Q5の答え 表示
  • 3 TNF−α阻害薬が奏攻しない場合は、別のTNF−α阻害薬を用いてもよい。
  • 5 いずれも治療開始前に結核の既往歴を確認する。

解説

1について、関節リウマチ治療薬の生物学的製剤としては、TNF阻害薬のインフリキシマブなどに加え、IL-6受容体モノクローナル抗体であるトシリズマブや共刺激シグナル阻害薬であるアバタセプトなどもある。
2について、関節リウマチ治療薬の生物学的製剤は、破骨細胞の活性抑制により痛みや腫れを改善するとともに、関節破壊の進行も抑制する。
4について、TNF 阻害薬はMTX を併用することで十分な薬効が得られるとされてるが、MTX が使用できない患者では生物学的製剤が単独投与されるケースもある。

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