はじめる在宅 現場で役立つ基礎知識

はじめる在宅現場で役立つ基礎知識4 栄養指導

2018年5月号
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薬局に勤務する管理栄養士による訪問栄養指導とは

老老介護や認認介護の世帯は食事・栄養に関するさまざまな問題を抱えています。たとえば、介護者が料理が苦手だったり、食に関心がなかったりすると、味付けがうまくできず、おいしい食事が作れません。また、介護者が外出できなかったり、重いものを持てなかったりすると、買い物に行けず、家に残っている食材で食事を作らざるを得ません。そうしたことから食欲が低下し、十分に食事ができないと低栄養になります。低栄養とは、特にエネルギーとたんぱく質が欠乏し、健康な体を維持するための栄養素が摂れていない状態を指します。また、高齢になるほど併存疾患が増え、低栄養のリスクは高まります。
訪問薬樹薬局飯田橋では、常勤の管理栄養士が薬剤師と連携して在宅患者の訪問栄養指導を行っています。管理栄養士が訪問して栄養に関するスクリーニングや確認を行うことで、食事形態や栄養バランスを考慮した食事の提案ができ、さらに低栄養の未然回避に繋がります。
薬剤師が服薬指導などで訪問した際、食事や栄養の点で気付いたことがあれば、管理栄養士に基礎疾患の状態、服用薬が食事に与える影響、生活背景やコミュニケーションのポイントなどを情報共有します。次に薬剤師に管理栄養士が同行し、在宅患者に多い低栄養に関するスクリーニングや食事の悩みなどをヒアリングします。管理栄養士の介入が必要と判断すれば、かかりつけ医に相談し、介入を開始します。初回スクリーニング時には介入が不要であっても、栄養状態は経時的に変化するため、約半年後に管理栄養士が再度訪問し、患者さんの栄養状態を定期的にチェックします。
スクリーニングには、簡易栄養状態評価表(Mini Nutritional Assessment-Short Form:MNA‐SF)を用います。過去3カ月間で食事量の減少や体重の減少があったかや、自力で歩行できるかなどの6項目について配点し、合計ポイントを「栄養状態良好」「低栄養のおそれあり」「低栄養」の3段階で評価します。
管理栄養士が在宅医療で関わる業務として診療報酬の算定が認められているのは外来栄養食事指導や在宅患者訪問栄養食事指導などです。ただし、医療機関に所属している管理栄養士の訪問栄養指導は診療報酬として算定されますが、薬局の管理栄養士の訪問栄養指導については現時点ではまだその対象になっていません。
一方、介護保険については居宅療養管理指導などの算定が認められていますが、こちらも医療保険の訪問栄養指導と同様の扱いになっており、薬局の管理栄養士による居宅療養管理指導の算定の可否は、一部の市区町村を除きまだ認められていません。同薬局では基本的にはサービスとして管理栄養士による栄養指導を行っています。

管理栄養士による具体的な栄養指導

現在同薬局では2名の管理栄養士が約20名の在宅患者の食事・栄養をサポートしています。患者さんのほぼ8割が高血圧で、腎臓病や糖尿病で食事が制限されている場合は低栄養を合併しているケースが少なくありません。
腎臓病の患者さんは食事の制限が多く、たとえばカリウムを多く含んでいるバナナなどは控えるように指導し、バナナが好物の患者さんにはバナナ風味の食品を代用する方法もあります。食事で栄養を十分に摂取できず、エネルギー、たんぱく質、ビタミン、ミネラルなどを含む栄養補助食品を使用する場合は、服用薬との相互作用などを薬剤師に確認することが重要です。
アルツハイマー型認知症の患者さんは集中力が低下すると、食事の途中で食べることをやめてしまうことがあり、低栄養のリスクが高くなります。患者さんと意思の疎通を図ることが重要で、「食べたいものはありますか」「どんなものが好きですか」などと質問しながら、食事への意欲を確認します。コミュニケーションの取り方は、服薬指導で患者さんと信頼関係を作っている薬剤師のア…

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