Early Bird

生物学的製剤によって患者QOLが向上

2018年9月号
自己免疫疾患の患者QOLが向上の画像
自己免疫疾患の治療は診断技術や治療薬の開発によってこの10年で大きく進歩してきた。特に生物学的製剤で患者の多くが寛解を目指すことが可能になった。2018年6月26日に都内で開かれた「ヒュミラ(アダリムマブ)発売10周年メディアセミナー」(アッヴィ主催)では、関節リウマチ、消化器領域、皮膚科領域の各専門医が自己免疫疾患治療における生物学的製剤の役割や将来展望をテーマに講演した。

関節リウマチは、1970~1980年代、適切な治療をしないと患者の半数は10年後に日常生活が不自由になるという認識だった。
慶應義塾大学医学部内科学教室リウマチ内科教授の竹内勤氏は、2010年以降、関節リウマチの治療戦略が大きく変わったことで、寛解導入が向上したことについて言及した。関節リウマチの治療目標は、厳格なコントロールによって、臨床的(関節炎)寛解を達成し、さらに構造的(関節破壊)寛解、機能的(身体機能障害)寛解を目指すようになった。目標達成に向けた治療(treat to target)で関節リウマチの患者の予後は改善されることになったが、その立役者は生物学的製剤だ。慶應義塾大学病院ではアダリムマブの早期導入によって構造的寛解は66%を達成したという。
竹内氏は、寛解100%の可能性を示唆するとともに、副作用、免疫原性などを今後の課題としてあげ、「世界の趨勢は早期診断・治療に向けて進んでいる。次の時代の治療薬に期待したい」とまとめた。
一方、消化器領域では炎症性腸疾患である潰瘍性大腸炎、クローン病に対して生物学的製剤が使われている。いずれも原因不明で根本的な治療法が確立していない。炎症性腸疾患の治療は約20年前までは潰瘍性大腸炎に対してプレドニゾロンと5-ASA、クローン病に対して絶食による栄養療法が主流だった。
北里大学北里研究所病院炎症性腸疾患先進治療センターセンター長の日比紀文氏は、腸の炎症を持続させる機序として、①炎症を起こすサイトカイン、②免疫細胞の接着・浸潤、③微生物との反応、④上皮の損傷・組織の破壊を指摘した。
しかし、2010年、炎症性腸疾患の治療でも抗TNFαモノクローナル抗体の登場によってパラダイ…

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